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不死川実弥という男 ページ8

 『ねぇ兄さん、えーっと、炭治郎?だっけ。あの3

  人組、賑やかだね』


 実「そうかァ?竈門の野郎ォ、俺に頭突きしやがっ

  たんだよなァ。」

 『えっ』


 私が驚いて顔を上げると、真剣な顔で頷く。


 実「あと、我妻の野郎はうるせぇ。」

 『あー…うん。』


 確かにあの人はうるさかった。

 あんな汚い高音で叫んでいたらいずれ声帯が逝かれ

 るだろう。


 実「あとあの猪頭はァ…アイツはわかんねぇなァ」

 『なんか勝負しろ勝負しろって言ってきたけど』

 実「何なんだァアイツ」


 兄さんがお茶請けとして出してくれたのは相変わら

 ずお萩。

 熱いお茶をちびちび飲みながら兄さんを見上げる。


 この前あった時より傷が増えているのは気のせいだ

 ろうか。

 兄さんは呼吸を使わないで戦う時がある。

 自分は稀血だからといってその血を利用するのはよ

 くないと思う。


 兄さんは何でも抱え込みがちだから。



 『ねぇ兄さん』

 実「あァ?」

 『…最近無理してない?』

 実「別にしてねぇぞォ」


 また抱え込んでる。

 兄さんは嘘をつく時に拳を固く握る癖がある。

 今もそうだ。


 『…はぁ。兄さん、嘘ついてるでしょ』

 実「はぁ!?嘘なんかつい((『兄さん、自分は嘘をつ

  く時に拳を固く握る癖があるのわかって

  る?』


 兄さんは少し目を見開いて私に手を伸ばす。

 反射的に目を閉じると、頭にちょっと弱めの衝撃

 が。


 恐る恐る目を開くと、兄さんが私の頭を撫でてい

 た。


 実「A、お前は察しが良すぎるんだよなァ…」

 『誤魔化さないでよね』

 実「誤魔化してるわけねぇだろォ」

 私はなんと返したら良いのかわからず、されるがま

 まにしていた。


 兄さんはお茶を啜り、お萩を頬張る。



 『この後もまた稽古?』

 実「あァ。最近、隊士の質が落ちつつあるからな

  ァ。A、お前も付き合えよォ」

 『え?もう次の柱の所に行く人がいるの?』

 実「なわけねぇだろォ。誰も彼も基礎がなってね

  ェ。お前が基礎を叩き込むんだよォ」

 『そっか。わかった』


 湯呑みを盆に乗せて縁側から廊下に上がって稽古場

 に戻る。


 『じゃあ先行っとくね』
 
 実「おぅ」



 稽古場に向かうAの足取りは軽く、今にも鼻歌

 を歌い出しそうだ。


 実「休憩が終わったらちゃんとしばくんだぞォ」

 『はーい』

風柱の妹→←名前も知らない女の子



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作者名:三三七拍子(三度目の正直) x他2人 | 作成日時:2019年12月29日 21時

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