幸せであれ、兄さん、師範。 (ページ6)

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年越しだページ6

『兄さん！ちょっと聞いて！』

　玄·実「「!!」」

　今日も今日とて喧嘩ばかりの兄さん達の間に入る。

　1年の初めは家族全員で迎えたい。

　『今日は元日なんだよ!?今日位は仲良くして！』

　この2人の兄は、Aがこんなに必死になってい

　るとどうしても負けてしまうのだ。

　玄「そ、そうだな」

　実「わかったぜェ(玄弥ァ…近づくんじゃねぇぞ

　ォ…)」

　その後は初詣に行ったり、お雑煮を食べたり、ごく

　普通の家族に戻ったように過ごしていた。

　『ねぇ玄弥兄さん、何で実弥兄さんと仲直りしない

　の？』

　実弥兄さんがいない時に玄弥兄さんに聞いてみた。

　玄「俺は仲直りしたいと思ってるんだけどな…」

　『兄さんが非協力的なの？』

　玄「まぁ…な」

　頬をかいて下を向いた玄弥兄さん。

　実「どうしたんだァ？」

　『ううん。何も』

　実弥兄さんが帰ってきた。

　『おみくじ結んできたの？』

　実「あァ。」

　玄「な、なんて書いてあった？」

　実「……………とよ」

　『「？」』

　実「兄弟仲は良好にすべきだとよォ」

　『!!そう』

　仲良くなったらそれでいい。

　今年こそは、仲直りさせようと胸の片隅に決め、私

　は今日も空を見上げる。

　両隣の兄さん達はそんなことを知ってか知らずか、

　神社で振る舞われていた甘酒を片手に白い息を吐

　く。

　来年こそは、みんな仲良く過ごせますように。