行き場のなかった優しさ ページ8
『話したいことって何?』
「あっ、あの、その…」
話すとなると途端にしどろもどろになる彼。
本人はそれどころじゃないかもしれないけれど見て
いて和む。
「お、お名前は」
『A。苗字は無いよ。きっと。忘れちゃった』
「忘れた?」
『うん。でも、家族構成とかは覚えてたな』
「そうですか…Aさんは家族でもない見ず知ら
ずの俺達に何で優しくしてくれるんですか」
少しだけ俯いて呟く。
『なんで優しくするのか……特に理由は無いけど、
助けたいと思ったから、かな』
「そうですか…
そうだ。これから俺たちはどうしたらいいです
か?」
『うーん…まだしばらくは私達と居ようか。また年
月がたって2人だけで生きれるようになれば2人も
拠点を決めて生きたらいいよ』
「拠点?」
『まぁ狩場かな。私は童磨と一緒に居るけどね』
童「Aちゃーん!もうそろそろ良いかなー?」
『あ、もういいの?』
「はい。ありがとうございました」
ぺこりと小さく礼をして梅ちゃんの隣に座る。
「お姉さん、私、着物が欲しいわ」
『着物?』
確かに、2人の格好はお世辞にも綺麗とは言えな
い。
『そうだね。今日はもう呉服屋は開いてないから、
明日にでも行こうね』
「うん!でも、鬼は日光に当たったら死ぬんじゃな
い?」
『日光に当たらなければいいのよ』
童「それが難しいんだよなぁ」
腕を組んで苦笑いする。
そして、何を血迷ったか私に覆い被さるように抱き
着いて「疲れたよ〜…癒しておくれよAちゃ
ん」などと言う。
妓夫太郎君と梅ちゃんは、私たちは何を見せられて
いるんだとでも言いたそうな顔をしている。
『離れてよ童磨、重いの』
童「やだぁ」
『退いて』
ばっと腕を振って頭を叩くと、痛いっとあからさま
に叩かれたところを抑えて蹲る。
妓「童磨さん…」
梅「お兄ちゃん、この人何なの…?」
童「梅ちゃんそんな話しないでよ、悲しくなる」
『人前でそんな事するからだよ』
童「ひどぉーい」
腕を組み直して頬を膨らませたところに童磨の信者
の1人がやって来て、新しい信者の方が来たと知ら
された。
童「Aちゃんと離れちゃうのは心苦しいけど、
ちょっとお話があるみたいだねぇ」
『隣の部屋にいるからね』
童「うんうん」
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三三七拍子(プロフ) - 留射磨(ルイマ)さん» アドバイスありがとうございます!そこの所ちょっと書き直してみます! (2020年5月7日 16時) (レス) id: 9b74e616b2 (このIDを非表示/違反報告)
留射磨(ルイマ) - しくったなぜに「を」いれたw (2020年5月6日 12時) (レス) id: 6a1df0e410 (このIDを非表示/違反報告)
留射磨(ルイマ) - 童磨様って人のころのこと覚えていた気がするをとちゅうですが(教祖とシスタ一 (2020年5月6日 12時) (レス) id: 6a1df0e410 (このIDを非表示/違反報告)
三三七拍子(プロフ) - 桜さん» ありがとうございます! (2020年4月19日 18時) (レス) id: 9b74e616b2 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - 更新頑張ってください (2020年4月19日 18時) (レス) id: f4e7d9a45e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:三三七拍子(三度目の正直) x他2人 | 作成日時:2019年11月17日 16時