蓮華と十字架

猫扱い ページ5

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　『何で飼い猫扱いなの…』

　童「えー？…何か、猫！って感じがしたからかな

　 ぁ」



　どういう感じだよと心の中でツッコミを入れる。

　尚も髪を弄ぶ童磨を目だけ見上げると、そういう所

　だよ〜と笑った。


　童「Aちゃんは人を殺したことがあるのか

　 い？」

　『無い…ことはない』

　童「やっぱり？あの方から聞いていた通りだね！あ

　 の方、Aは人間を殺したことがほぼ無い。

　 代わりにお前が沢山喰えって言ってたから

　 さ。」

　『あぁ、なんか言ってた。

　 探知探索が得意で弱いお前と、探知探索が不得意

　 で比較的強いやつを組ませた。とか言われたわ』


　童「その探知探索が不得意な奴って、多分俺だよ！

　 俺、探知探索不得意だからさ！」




　『そうなんだ』

　
　適当にあしらって手をパシリと払うと、酷ーい！な

　んておどけたように言って私の腹部に腕を回す。


　『ちょ、ちょっと！やめっ、擽ったいからっ！』

　童「Aちゃんかわいいー！」



　私の首筋に顔を埋めてぐりぐりし始める。

　やめろと言って頭をバシバシ叩くと、痛い痛いと言

　って亀のように首を縮こませる。


　『ホント童磨は距離感おかしいってば』

　童「そうかな〜？Aちゃんの防御が厚いだけじ

　 ゃないのかい？」

　『んなわけあるか馬鹿』

　童「Aちゃん酷いなぁ！俺はただAちゃん

　 が好きだからやっているんだよ〜」



　思考停止。


　
　私は生まれてこの方好きだとか言われたことが無い

　から、急に言われると……は、恥ずかしい。
　


　童「あれっ、Aちゃーん、おー…い？」

　『見ないでっ…!?』


　顔を覗き込まれて目を合わせられる。

　多分、私の顔は真っ赤になっているだろう。


　童「Aちゃんは本当に可愛いねぇ!!」

　『うるさい！』

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