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帰還 時透無一郎side その2 ページ41

時「ああもう!だってA姉さんが変なことされ

  たら嫌だから!」


 ムキになって叫ぶようになってしまったのを聞きつ

 けた胡蝶さんが何か言ったのが聞こえた。

 仕方ないじゃないか。

 恥ずかしいものは恥ずかしいのだから。


 少し眉を顰めると、僕の眉間をとんっと突いて

 『嫌な顔しなーい』

 なんて言う。

 その言葉に思わず頬が緩みそうになるのを必死で抑

 えていると、ニコニコしながら頭を撫でてきた。

 すぐこういうことする。

 ちょっと心臓に悪い。


 必死で抑えようとするも、意に反して上がる口角。

 もういいか。
 
 僕はA姉さんが不在の間の任務のことを話して

 しまうことにした。

 …実を言うと、あと少しだけ、甘やかして欲しかっ

 たから。

 時「A姉さんが任務に行ってる時、すごく姉さ

  ん不足だったよ?自分の任務はちゃんとこなし

  たけど」

 『おぉ、偉い偉い』

 時「んふふっ、でね、部隊で死者も出さなかった

  よ。怪我人は出たけど」

 『頑張ったねぇ』


 偉いねぇと褒めてくれるのが心底嬉しかった。

 何気ないことかもしれないけど、本当に嬉しかっ

 た。

 こんなにA姉さんに褒められ続けていると、な

 んか平和ボケしてしまう気がするのは僕だけなのか

 な



 煉「A!大丈夫だったか!よもや!矢張り帰っ

  てきたのか!」


 バンッと大きな音を立てて外れた蝶番を見ることも

 無く入ってきた煉獄さん。

 もうちょっと…いや、凄く静かに入ってきて欲しか

 った。


 『煉獄、しーっ』

 煉「ああ!すまない!また明日でも見舞いに来

  る!」


 姉さんに静かにするよう言われたのをどういう意味

 で捉えたのかわからないが、颯爽と去っていった煉

 獄さん。


 時「…何だったんだろうね」

 『うん』

 真顔で頷いた姉さん。
 
 普段から表情豊かな姉さんも、言葉を失ったよう

 だ。

 時「ねぇねぇ、普通に過ごしてるけどさ、痛くない

  の?傷」


 包帯に隠された傷を指さして言う。



 『んー…触ったら痛い』

 時「触らなかったら?」

 『なんともないよ』

 時「ならいいんだけど」


 姉さんの怪我が心配でならない。

 それからは花街での任務について小一時間くらい話

 してくれた。

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三三七拍子(プロフ) - サブレさん» ありがとうございます!マジでモチベアップに繋がります!これからも頑張ります! (2019年11月3日 15時) (レス) id: 9b74e616b2 (このIDを非表示/違反報告)
サブレ - めちゃくちゃ面白いです!投稿頑張ってください (2019年11月3日 15時) (レス) id: f23e27acb6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三三七拍子 | 作成日時:2019年10月22日 21時

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