帰還 時透無一郎side ページ40
『ただいま帰りました〜』
僕がずっと待っていたあの少し間延びした声が聞こ
えて、僕は無我夢中で廊下を走った。こんなことし
たら胡蝶さんに怒られそうだとは思ったが、僕は走
るのをやめなかった。
真っ暗な玄関で目を凝らすと、隠に背負われた傷だ
らけのA姉さんが見えた。
普通の隊員だったら倒れそうな程の出血量だという
のにも関わらず、普段の立ち振る舞いをしている。
時「えっ、A姉さん、髪…」
暗闇に目が慣れてくると、A姉さんの髪が短い
ことがわかった。
何で…？
『やらかした』
ただ一言だけそう言った姉さんを背負っている隠に
早く診察室に運ぶよう促した。
見たところ怪我も沢山しているようだったし。
A姉さんがあんなに怪我をして帰ってくるなん
て、珍しい。よっぽどの事があったんだ。多分。
時「今回はいつもよりすごい怪我だね。」
『うん。上弦だった』
時「えっ、上弦？」
僕だって上弦と戦ったことは無かった。
会ったは会ったが、攻撃されてしまって、その鬼を
姉さんがどうにかして追い払って終わった。
『うん。治療してもらってから話すね』
時「うん」
病室の外の壁にもたれて立って待つ。
中からは胡蝶さんのお小言が聞こえる。
A姉さんが蝶屋敷にいる間は僕が常にそばに居
ることになっている。
表面上は姉さんが無茶して任務に行くのを阻止する
ためだが、本当はただ僕が姉さんのそばに居たかっ
ただけのこと。
だいたい10分くらいすると、松葉杖をついたA
姉さんが出てきた。
時「あ、僕見張りなんだってさ。」
『うん。聞いてるよ。』
時「その間は任務入れてもらってないから、ずっと
一緒にいるからね？絶対」
ワザと�狎簑亅瓩魘�調して言ったが、その事に気づ
いているのかいないのかわからないようにいつもの
笑顔を零して病室に向かった。
A姉さんはシワひとつない真新しいシーツが敷
かれたベッドに腰掛けて、僕はその脇のパイプ椅子
に座った。
……こんなことを聞くのは少し気が引けるけど…
時「ねぇ、任務中変なことされなかった？」
『大丈夫だよ？何ともない。』
時「よかった…」
『何で？』
時「だって、A姉さんに手は出されたくないか
ら…」
『？』
何？と聞き返す姉さんに押し付けるように叫ぶ。
帰還 時透無一郎side その2→←煉「ここで、大正コソコソ噂話だ！」
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三三七拍子(プロフ) - サブレさん» ありがとうございます！マジでモチベアップに繋がります！これからも頑張ります！ (2019年11月3日 15時) (
レス) id: 9b74e616b2 (このIDを非表示/違反報告)
サブレ - めちゃくちゃ面白いです！投稿頑張ってください (2019年11月3日 15時) (レス) id: f23e27acb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三三七拍子 | 作成日時：2019年10月22日 21時
