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血塗ろ ページ26

屋根の上に飛び上がって私達を見下ろして、不快な

 声で私達を蔑んでいるのだ。

 すると、どこからともなくあの帯が鬼の体内に入っ

 て行くのが薄らと見えた。炭治郎君も目を見開いて

 いる。


 どうすることもできないままただ見ていると、鬼の

 体の色が変わった。

 何とも言えない不愉快な気配が漂う。

 意識が朦朧として音があまり聞こえない。



 片膝をついたまま見上げた鬼の体色が変わる。

 騒ぎを聞き付けた野次馬がわらわらと店から出てく

 る。

 ただならぬ気配を感じて人々を力一杯押して建物の

 中に戻したその瞬間、建物ごと切り裂く帯が私達ご

 と斬り裂いていった。

 左脇腹から右胸の下あたりまで袈裟懸けに切り裂か

 れ、血飛沫が上がる。

 炭「ッッ!!藤川さん!!」

 私の心配はいいからと言おうとしても、気道に詰ま

 った血が邪魔をして掠れた息しか出てこない。


 胴と首が分断された人と目が合う。

 また、助けられなかった。


 炭治郎君が去ろうとする鬼を呼び止めた。

 鬱陶しそうに振り返り、真っ赤な紅に彩られた唇が

 言葉を紡ぐ。


 堕「何?また何か言ってるの?もういいわよ不細

  工。醜い人間に生きてる価値無いんだから、仲

  良くみんなで死に腐れろ」


 その言葉を聞いた私の中で何かが切れた。


 昔から鬼は哀れな生き物だと思っていた。

 今は、ただただ醜悪な生き物としか思えないのだ。



 炭治郎君が目から血涙に流して、目にも止まらぬ速

 さで屋根に飛び上がり、鬼の足首を掴む。


 流石に炭治郎君1人では危なすぎると咄嗟に判断

 し、私も呼吸で止血をしつつ、屋根に向かって飛ん

 だ。その時に私の目が捉えた炭治郎君の姿は、今ま

 で見たことの無いくらいの怒りに燃えていた。


 墮「昔のことなんか覚えちゃいない!鬼は老いな

  い、死なないし、何も失わない。そして、美し

  く強い鬼は何をしてもいいのよ!!」

 
 炭「わかった。もういい」

 鬼がたじろいだ瞬間を狙って鬼の腹に膝蹴りを入れ

 て屋根に押し倒す。

 堕「がっ…!!アンタ、さっき私が…!!」

 『五月蝿い』

 
 

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三三七拍子(プロフ) - サブレさん» ありがとうございます!マジでモチベアップに繋がります!これからも頑張ります! (2019年11月3日 15時) (レス) id: 9b74e616b2 (このIDを非表示/違反報告)
サブレ - めちゃくちゃ面白いです!投稿頑張ってください (2019年11月3日 15時) (レス) id: f23e27acb6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三三七拍子 | 作成日時:2019年10月22日 21時

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