検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:78,097 hit

蕨姫 ページ18

「蕨姫様、私です。」

 ?「何?さっさと入りなさいよ」

 『(えっ、怖…)』

 恐る恐る開けられた襖の奥には、とても美しい人が

 いた。

 この人があの蕨姫様…


 蕨「あら、そこの子はどうしたの」

 「あ、あの、私に代わって貴方のお世話をする子で

  す」


 こちらにゆっくりと向き直ってギロリと女将さんを

 睨みつけた。


 蕨「アンタに代わって?

  ……ふぅん…まぁいいわ。私この子と少し話し

  たいことがあるから、さっさと出て行って」


 「わ、わかりました」


 そそくさと部屋を去り、この部屋には私と蕨姫様だ

 けになり、互いに口を割ることも無く沈黙が充満す

 る。


 『あ、あのっ!「ねぇ」はい!』

 「アンタ、名前は」

 『名前…?Aです』

 「A…いい名ね」

 『あ、ありがとう…ございます?』

 「なんで疑問形なのよ」


 蕨姫様は私にこちらに来るように指示し、私はその

 通りにした。


 すぐ目の前まで来た私の顔を色んな角度から眺め、

 言った。


 「……アンタ、いい顔してるじゃない。目の色も左

  右で違うわね…可愛いわ」

 『…え?』

 「アンタ、気に入った。これから私のお世話をして

  もらうわよ、A。」

 『はい』


 …私が可愛いってどういうこと?

 私あんまり可愛くないと思うんだけど(十分可愛い)


 「…もしやアンタ、自分の可愛さに気づいてなかっ

  たとか言わないでしょうね」

 『えっ?』

 「はあ…無自覚って恐ろしいわね…

  A、これからは私のことを“姉様”って呼びな

  さい。いいね?」


 姉様?


 『わかりました。姉様。』



 この人の真意が全くわからない。

 急に私の顔を褒めたし、遂には姉様呼びを指示し

 た。


 『あ、あの、姉様は美しいものが好きなのです

  か?』

 「ええ。そうよ。あ、そうだ。私の世話をするにあ

  たって言わなければならないことがあるから、ち

  ゃんと聞きなさい。」

 『はい』


 「いい子ね。まず一つ目。夜中に私の部屋には入ら

  ないこと。これは絶対。何があっても。二つ目。

  なるべく私の近くに居てちょうだい。これは私の

  個人的なお願い。あとは……まぁ、ざっとこんな

  感じかしら。しっかり守りなさい。いいわね。」


 『はい。蕨姫姉様』

新しい世話係 (堕姫side)→←売られる4人



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
128人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 愛され ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

三三七拍子(プロフ) - サブレさん» ありがとうございます!マジでモチベアップに繋がります!これからも頑張ります! (2019年11月3日 15時) (レス) id: 9b74e616b2 (このIDを非表示/違反報告)
サブレ - めちゃくちゃ面白いです!投稿頑張ってください (2019年11月3日 15時) (レス) id: f23e27acb6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:三三七拍子 | 作成日時:2019年10月22日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。