【2j3j】みんなの妹ここに見参！【fw寄り】 (ページ23)

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始まりはいつもページ23

お風呂上がって一番にVTuberにならないか？！と聞かれた。

不破さんは好きなことが出来るVTuberに転職するらしい。

世界が変わる………か………………

今の生活はとても窮屈だ、バイトもいっぱい稼げるわけじゃない。でも、私はVTuberで成功できるのかな？

『私なんかが人気になるわけないじゃん』
「なる！！！絶対なる！！！俺が保証する！」

さらに掴まれてる肩に力が入った。
私の言葉を食い気味に否定して私にそう言う不破さんは、ものすごく真っ直ぐな目をしていた。

「Aちゃんは、見ず知らずの男相手にこんだけ喋れるくらいのトーク力あるし。かわいいし！なにより！世の中の生き方を知ってる！！」

「今は辛いかもしれない……でも楽しくなる！俺が楽しくする！いっぱい経験しようよ！こんな狭いとこじゃなくて！ネットの海でもいいし、外の世界でも！俺もあんまり経験してないから大きいこと言えないけどさ！俺が連れてくよ！どうかな？！！」

ネットの海、外の世界。

限られた場所しか行かない私がどこかに行けるのだろうか

でも、行けるのなら

こんな腐った日々が輝くなら！

少しでも！楽しかったって思える日が来るなら！！

私は賭けたい！その小さな希望に！

『っ………っはぁ…………やる、やらせてください！VTuber！』

「ほんま？！！！ほんまに？！！やったぁぁあ！！」

ぎゅーっと不破さんに抱きしめられた。
久しぶりの温もりで涙がこぼれた。
暖かい、あったかいよ…………

『うぁ……うぅ……………っぐす』

「え？！あ、！ごめん！抱きしめられたくなかったよね？！」

離れようとする不破さんを両手で抱きしめる。
そうじゃない、嬉しくて、誰かに必要とされることも、誰かと何かをすることもしてこなかった私だから。
今日は初めてが多くて、嬉しかったんだ。

『ちがう、うれしくて！嬉しくて！！！ありがとう………うぅ………あぁ』

涙が止まらない、なんで。止まってよ
不破さんの胸を私の涙が濡らす。
泣き止まない私の頭を不破さんは撫で続けていた。

「辛かったよなぁ、よく頑張ったね。俺ほんと尊敬するよ、ここまで1人で耐えたんやもんな！ほんとに偉いよ偉い。もう我慢なんかいらんよ、好きなことしよう」

目が覚めた頃には朝になってて、テーブルに書き置きとメアドがあるだけだった。