くろいろみどり

苦いのはいや 阿部side ページ9

夜中、目が覚めたけどと隣に目黒がいない。

ベランダだ。


阿部「いた」

目黒「あ、起きたの？」

阿部「目、覚めちゃった」


ベランダにいたのは煙草をすっている目黒だった。


目黒「匂いついちゃう」


と、俺を中に入れようとする目黒。

抵抗して目黒に抱きついた。


阿部「ちょっと、臭い…」

目黒「傷つくんだけどww」


煙草の匂いは苦手だ。

でも、煙草を吸う目黒の匂いは


阿部「ちょっと好きかも。ほんとの目黒って感じ」

目黒「どゆこと？笑」

阿部「てか、どうしたの？こんな時間に」

目黒「ちょっと吸いたくなった。てか、阿部ちゃんのほうこそどうしたの？」

阿部「別に…なんでも…」


寂しくなった。

なんだか言うのが恥ずかしくて言葉を濁した。

すると、目黒に顔をあげられ


阿部「んんっ」


深いキスをされた。


阿部「んっはぁっ…うぅ…苦ぃ…」

目黒「ふはっ…だろうね笑ほんとのこと言わないと、甘いキスはしてあげないよ？」


甘いキス。

その言葉に心が揺らいだ。

でも、恥ずかしい…。


目黒「なに？苦くてもいいの？さっきすごい顔歪んでたけど？笑」

阿部「うっ…甘いのがいい…あああ言うよ！寂しくなったの…ぬくもりがなくなっちゃったから目が覚めて…」


滲む視界。

俺の好きな匂いにつつまれた。

甘みのもとは？ 阿部side→←傷つけたくない 目黒side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す