好きじゃないのに告白を…2【Fischer's】

どういうことだ 遊斗side ページ43

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最近Aがおかしい。

俺に話しかけに来なくなった。
俺が話しかけてもすごい短い会話で終わる。
そして1番変わったことは


絹張と一緒にいることが多くなった。



そういえば、あの日。文化祭の日。
風の噂で、Aが告白しに来ると聞いた。
なのに、来なかった。

気が変わったのか？

それとも…



考えているうちにいつの間にか部活は終わっていた。
家に帰る気にもなれず、顧問に言って居残りの許可をもらった。


1人でフリースローの練習をしていると、Aがタオルとアクエリを持って入ってきた。
俺への差し入れだろう。
声をかけに行くと、



貴『あっ、笹沢先輩！シルクくん見ませんでした？自主練するって言ってたんで差し入れ持ってきたんですけど…』



シルクくん…シルクｸﾝ…ｼﾙｸｸﾝ…

なんであいつなんだ？
俺のことが好きなんだろ？
どういうことだよ。



遊「絹張は今顧問と職員室に行ってるよ！
もう少しで帰ってくると思うけど…絹張に差し入れって仲良いんだね！」

貴『はい！実は…最近付き合い始めたんです((ﾆｺｯ』



衝撃だった。
この短期間で何があったっていうんだよ…。
動揺を隠すように俺は言葉を続けた。



遊「へ、へぇー！絹張と！Aはああいうのがタイプだったんだな！身長が小さくてギャーギャーうるさくて周りに人がいるからって人気者だって勘違いしちゃうようなやつが。」



気づいたら止まらなくなっていた。
なんで俺じゃないんだって思いが強くなっていた。
けど…




貴『…シルクくんを…シルクくんを悪く言わないでください！本当は告白する予定はなかったんです。笹沢先輩が好きだったから。けど、こうなって、はじめはすぐに終わってしまうと思ってたけど、シルクくんのすごいところとかいいところとかいっぱい気づけて、付き合えて良かったってほんとに思ってるんです！』




走って出ていくAを追いかける気力なんて無くて、俺はその場に立ち尽くした。
この時、俺の中で何かが崩れ壊れていった。
そして、心の中に決めた。



【壊してやる…そんな仲。】

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