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「ご令嬢、あの、その、それってあの、竜人……」
「そうだな、お前が今日目玉商品にしようとしていた竜人だな」
もだもだと口篭る商人にマリアは片手にボコボコにされ腫れ上がった顔の竜人を抱えながら淡々と返し、邪魔くさそうに髪をかきあげる。
「支配人、私は実は令嬢ではなく調教師なんだ」
「は、はぁ……」
竜人を片手で持ち運ぶようなやつがただの令嬢じゃないことぐらい猿でもわかる、と商人はだらだらと汗をかきながらどうしたもんかと考えた。
目の前にいるのは調教師、調教師に奴 隷は買えない。マリアのその何を考えているのか全くわからないその無表情は余計に商人の心を不安にさせる。
「私も調教師だから興味がわくんだよ、竜人ってどんなもんか。で見に来たらこれだ、こいつは人の手に負えるものじゃないから私が引き取るよ支配人」
「は、え、ではお買い上げで？」
「いや、金は払わん。そもそも調教師にコレらは買えない。国法第四法によると調教師が手に負えないと判断した種族は調教師本人又は師会が責任持って保護すること、と書いてあるので私が保護することにした」
相変わらず悪いこと考えるな、と横にいるトントンはマリアの横顔を見る。可憐な少女の見た目をしているのに横暴で脳筋で掛け算ができないくせに悪知恵だけは働く。我ながらとんでもない主人を持ったものだとため息をつく。
汗が滝のように流れる商人と金髪を揺らしながら気絶する竜人に合掌しながらトントンははやくこの場から抜け出せますようにと願った。
「ハ、ハハ！ そんなまさか！ そんなことがまかり通るワケが」
「それがまかり通るんだよ、ガマガエル。調教師のバッジがどれだけお前ら多種多様な種族にとって脅威なのかぐらい知ってるだろ」
「で、では私の金は！？ どうなるんだ！！ そいつを捕まえるのにどれだけ苦労したと、」
「……ハァ？ 捕まえる？ その他種族を調教師または防衛騎士団以外が捕まえることは違法だと分かってて言ってんのか？ それに法律が改定されて、奴 隷に落とされるのは師会が許可した犯罪歴のある種族のみだと決まってるはずだが」
マリアは掴んでいた竜人をトントンに渡すと、商人に掴みかかり睨みつける。
「あ、ぐ……」
「ガマガエル、お前とはもう少し楽しく会話出来そうだな？」
服を引っ張られているせいか首周りが苦しそうな商人は余計なことを言ってしまったとまたその顔をさらに真っ青にしていた。
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n(プロフ) - とても面白いです！特にミートソースを捨てろが好きです (12月28日 18時) (
レス) @page6 id: 9f8fd53d26 (このIDを非表示/違反報告)
臓臓臓(プロフ) - 五十嵐さん» コメントありがとうございます。気まぐれ更新ではありますがあちらも更新していくつもりなので何卒よろしくお願い致します (12月16日 3時) (レス) @page9 id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
五十嵐 - こんばんわ！貴方様の終末の踊り方が好きです！よければそちらも再筆してほしいぐらいです！！！！！！ (12月15日 20時) (レス) id: 400a2c8525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：臓臓臓 | 作成日時：2023年12月15日 8時
