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「その下品な拘束を解いてやるから暴れろ、 それを調教師の私が止めるという名目で出てやる。そのままお前を調教できたら私の勝ち、調教できなかったらお前の勝ち、晴れて自由の身だ」
名案だろう、と笑いかけるマリアだったが竜人の男は腹を抱えて笑いだしそうだった。なんてバカな提案だと、口走りそうにもなる。
どう考えたって女のその白く柔い細腕じゃあかつて神とまで崇められたドラゴンの末裔の力に勝てるわけがないのだ。くつくつとバカにしたように笑い男は「あぁ」とその唸りにも似た低い声で同意した。しかしそれをすぐに彼は後悔することになる。
「よかった、同意してくれて」
メキ……ﾒｷｮ……ｫ
「ン？？」
ずるりととれるマズル、その形はマリアの手によってもう既に原型を留めていなかった。自由になった男の口元はヒクヒクと何かを発しようとするが繋がれた鎖を持っていた小さなナイフで切られ、いよいよ絶句した。
ちなみに小さなそのナイフはマリアの必需品の魔法がよく込められた何でも切れるくんである。
ただマズルに関しては本当にマリアの力で破壊されていた。一種のパフォーマンスとしてはよくできたものだろう、あの竜人がかわいく身体を縮めこんでいるのだから。
しかし賭けに勝てば自由、鎖は完全に魔法のナイフによって斬られていたならばマズルも魔法か何かだろうと覚悟を決めて男は立ち上がった。
「ハハハ、俺を自由にしたことを後ﾌﾞﾍﾞﾗｯ───」
「殴んのはっや…」
言い終える前に右ストレートを入れられ、床に倒れ込んでいる男を気の毒そうに見つめるトントン。ハァ？と男は頬を抑えながらマリアを見上げるが「どうした」と首を傾げた。
「ふざけるなよお前、まだ暴れてすらいない奴を殴んなや」
「暴れようとしただろ今、だから殴ったんだよ」
まさかのフライングパンチの正当化。そしてまたすぐさま殴ろうと拳を振り上げたマリアに男は声を上げる。
「わかった、やめろ！ 仲間になってやる！」
男は汗をダラダラかきながらこれ以上殴られまいと保身に走ることにした。暴れるもクソもないままボコられるのは勘弁だったのだ。
「そうか、お前から言ってくれるのは有難いな。でも生憎お前を買える金を持っていないんだ、殴って取り押さえましたっていう体にしたい」
「バケモンかお前！」
残念ながら綺麗な顔にあと二、三発入った。
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n(プロフ) - とても面白いです！特にミートソースを捨てろが好きです (12月28日 18時) (
レス) @page6 id: 9f8fd53d26 (このIDを非表示/違反報告)
臓臓臓(プロフ) - 五十嵐さん» コメントありがとうございます。気まぐれ更新ではありますがあちらも更新していくつもりなので何卒よろしくお願い致します (12月16日 3時) (レス) @page9 id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
五十嵐 - こんばんわ！貴方様の終末の踊り方が好きです！よければそちらも再筆してほしいぐらいです！！！！！！ (12月15日 20時) (レス) id: 400a2c8525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：臓臓臓 | 作成日時：2023年12月15日 8時
