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闇市は大いに賑わっていた。多くの人間が仮面をし、表には出せない金銭の取引や物の取り引きを行っている。マリアやトントンのように仮面もせずに闇市を歩くのは珍しい。
その上、白髪はよく目立つ上に豚の獣人を傍に置く人間は珍しい。そのためが、二人はすれ違う人間の視線を面白いほど惹き付けていた。
それから暫くして、彼女達がやってきたのは大きな大きなテントだ。
そこでサーカスでもやっていると言われれば信じてしまいそうな程の大きなテント、そこに訪れたマリアに対応したのはでっぷりと贅沢な腹をしたポマード臭い人間の男だ。マリアはその臭いに分かりやすく顔を顰め、鼻のきくトントンはフゴッ、と思わず鼻を塞いでしまう程だった。
テカテカとした脂の乗った顔でにたりと紳士的に笑う男。
「おやおや、白百合のように美しいお客様にここまで御御足をお運びくださったことが大変嬉しゅうございます。して、お客様のご要件は？」
「闇オークションの目玉を見せてください」
その時、トントンは思った。
マリア敬語使えるんか！！と、しかし心做しかその敬語は棒読み感が拭えないがトントンはそれよりも彼女が敬語が使えることに感動していてそれ所ではない。
主人の隣で涙ぐんで口を抑える様は何とも珍妙で、奴 隷商人はどこか引いたような顔をしている。
「あまり優秀な獣人ではないようですね？ フッ、豚か」
馬鹿にしたような笑い、豚は賢くないという迷信でも信じているのだろうとマリアは眉を微かに顰める。
豚は賢く、鼻も効く上に綺麗好きだ。そのため、マリアはノリで調教相手にしたとはいえ、存外トントンを気に入っていた。馬鹿にされたのが不愉快だったのかチッと聞こえない程度に舌打ちを打つ。
「ああ、それで何でしたっけ。目玉商品を見たいとのことで？ええ、ええ、勿論ですとも。よろしいですよ。ただ奴は気難しい性格でしてねえ、口を開けば皮肉ばかりなので、マズルをつけております。なのでお喋りはできませんが⋯⋯」
「それでいいです」
「畏まりました。ただいま案内致しますね」
そういってポマード臭い男は二人を巨大なテントに案内した。
中を歩けば、獣人や魔人であろうもの達の唸る声があちこちから聞こえてくる。普通の少女ならばここで怖気付いて顔色を変えて帰るところだろうが如何せんマリアはアホほど肝が座っている。
腕を組んですたすたとポマード男の後ろについて行った。
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n(プロフ) - とても面白いです！特にミートソースを捨てろが好きです (12月28日 18時) (
レス) @page6 id: 9f8fd53d26 (このIDを非表示/違反報告)
臓臓臓(プロフ) - 五十嵐さん» コメントありがとうございます。気まぐれ更新ではありますがあちらも更新していくつもりなので何卒よろしくお願い致します (12月16日 3時) (レス) @page9 id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
五十嵐 - こんばんわ！貴方様の終末の踊り方が好きです！よければそちらも再筆してほしいぐらいです！！！！！！ (12月15日 20時) (レス) id: 400a2c8525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：臓臓臓 | 作成日時：2023年12月15日 8時
