第一章 某国闇市事件 ページ5
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請け負った仕事の資料を読みながらマリアはトントンの入れた珈琲に口をつける。
そして異変に気付くとトントンにじとりとした目を向けた。
「おい、トン坊。砂糖は5つだって言った筈だ」
「トン坊って呼ぶな！それに砂糖は2つで十分や！そんなに入れたら糖尿病で死ぬわ！我慢せえ！」
「苦くて飲めないだろうが！！」
「じゃあ珈琲なんて飲むなや、アホなんか！？
ココアでも飲んどけ！」
トントンは呆れたようにマリアから珈琲を取り上げると慣れた手つきでココアを入れ、マリアの前に差し出した。どこか不満そうな彼女にトントンは「これで我慢せえよ」とマリアの飲んでいた珈琲に口をつけた。
「変態かお前は、人の飲んでいた珈琲を飲むなんて」
「ブッッ、おま、これはちゃうやろ！勿体ないから飲んだだけで！！」
「いい、大丈夫だ。私は許そう、お前が変態だとしても」
「話聞けや」
「それより仕事はあるのか？ 協会の奴らはどうも私を嫌っているらしいからな、変な仕事ばかり押し付けられる」
それは出会って早々、相手方に喧嘩売ったからちゃうか⋯⋯とトントンは生暖かい目をする。それに気付いているのか気付いていないのかマリアは「どうした」とトントンに目を向けた。
「ああ、いやなんでもないで、仕事の話やろ？協会からの依頼っていうより、情報提供やねんけど。なんか東の国の闇オークションで竜人が出品されるらしいで」
「本当か？！ 竜人の鱗は金になる！ 金の成る木だ！ よし行こう！」
「いやいや揺るぎないなホンマに！ 気が早すぎるわ！！ 幻獣はホンマに気難しいヤツばっかやし、調教師は原則奴 隷契約は禁止やし、ソイツ抑え込むのは難しいやろ！」
「早く出掛ける支度をしろトン坊」
「トン坊って呼び方ホンマ腹立つからやめて」
こうしてマリアに振り回されっぱなしのトン坊⋯⋯ではなく、トントンはマリアに引きずられながらも、その竜人がいるという東の国へと向かった。
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n(プロフ) - とても面白いです！特にミートソースを捨てろが好きです (12月28日 18時) (
レス) @page6 id: 9f8fd53d26 (このIDを非表示/違反報告)
臓臓臓(プロフ) - 五十嵐さん» コメントありがとうございます。気まぐれ更新ではありますがあちらも更新していくつもりなので何卒よろしくお願い致します (12月16日 3時) (レス) @page9 id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
五十嵐 - こんばんわ！貴方様の終末の踊り方が好きです！よければそちらも再筆してほしいぐらいです！！！！！！ (12月15日 20時) (レス) id: 400a2c8525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：臓臓臓 | 作成日時：2023年12月15日 8時
