序章 ある年の調教師試験について ページ1
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「あ゛？なんだ？シスターの嬢ちゃんも調教師試験受けんのか？ハハハッ、やめとっけって！そんな細腕じゃあ、一捻りで殺されちまう！大人しく教会で神に祈ってるのが懸命だぞ！」
「黙れ、次そのドブみたいな口を私に近付けたらアンタの残り僅かな髪の毛も毟りとるからな」
「えっ⋯⋯？」
屈強な男は乙女のように己の両手で口を塞いだ、まさか可憐なシスター少女からそんな汚い言葉が出てくると思っていなかったのだろう。
「試験番号251番、マリア・キャンディーラ！前に出ろ！」
彼女の名前はマリア・キャンディーラ、調教師の中でも異質と名高くなる女のことである。
彼女は元々田舎で生まれた素朴な少女だった。しかし彼女の両親は性に奔放で少し目を見離せば見知らぬ人とケンタウロス状態なんてことも少なくはなく、数え切れるだけでもマリアのきょうだいと呼べる存在は12人以上いる。彼女自身、本当にこの2人の両親から産まれたかも不明だ。
そんな中で次女として生まれたマリアはきょうだいの世話をしつつ、長男であるダメ兄と両親の尻拭いをする日々で
気付けば自然と口も悪くなっていったそうな。
そしてある日、彼女はついに嫌いになりきれなかった両親を本当に嫌う時が来てしまう。
目の前でマリアの髪や身体を選定する奴 隷商人、へらへらと笑う両親、泣きそうな顔で見つめるきょうだい、表情が抜け落ちるマリア。
「マリア、悪い！長男のダミアンが作った借金で金に困ってるんだ！ダミアンは逃げてしまったし、それにお前、他の子を売ろうとすると怒るだろ？だからマリア自身なら受け入れてくれると思ってな！」
「仕方ないことなのよ、許してちょうだいね」
平気な顔をしてへらへらと笑う両親についにマリアは頭を抱えた。
「いっそ清々しいな」
マリアはそれ以上何も言わなかった、泣きそうな顔でマリアをみているきょうだいをみて何も言えなかったのだ。
そしてマリアは静かにきょうだい達の頭を撫でると、大人しく奴 隷商人に連れていかれる。そして最後に振り返ってこう言うのだ。
「また会おう」
両親は会えるわけもないのにと馬鹿みたいな顔するがきょうだい達には強く理解できた。
次の日の朝、キャンディーラ家は両親以外の人間が全員いなくなっていたそうだ。もしもの時は両親を見捨て、自分達で生きろとマリアに教えられてきたきょうだい達のとった最後の行動である。
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n(プロフ) - とても面白いです！特にミートソースを捨てろが好きです (12月28日 18時) (
レス) @page6 id: 9f8fd53d26 (このIDを非表示/違反報告)
臓臓臓(プロフ) - 五十嵐さん» コメントありがとうございます。気まぐれ更新ではありますがあちらも更新していくつもりなので何卒よろしくお願い致します (12月16日 3時) (レス) @page9 id: 982e9ff04d (このIDを非表示/違反報告)
五十嵐 - こんばんわ！貴方様の終末の踊り方が好きです！よければそちらも再筆してほしいぐらいです！！！！！！ (12月15日 20時) (レス) id: 400a2c8525 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：臓臓臓 | 作成日時：2023年12月15日 8時
