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「入るよ〜」とドアの外から聞こえて来るが返事はしない。
隣の家の幼馴染のコイツはすぐ私の部屋に入って来るのだ。声かけするだけよしとしているが。
「A〜ってどうしたのそんな隅で、それにいたなら返事してよ」
野球部に所属している彼はいつもの部屋着ではなく部活のジャージのまま入ってきて、部屋の隅に三角座りしている私の隣に座った
「とうしたの?今日なんだっけ、あれ?なんちゃら模試?大事なやつだっけ。俺も今度あれ受けなきゃいけないんだよなぁ、後日受験って嫌だよね。」
1人で喋るうるさいやつ。
「んで、それでうまくいかなかったわけだ」
『うん。』
「お、やっと喋った。そんなことだろうと思ったよ。実は俺もダメだった。今日の試合、全然打てなくて、守れなくて。キャプテンなのにな、攻める姿勢も忘れちゃった。」
お前も俺もダメダメだって言うから叩いてやった。何回も何回も叩いてやった。
「いたっ!叩くなよ、痛いって、もう!」
彼女があまりにも叩くので両手を掴んでバンザイさせると、彼女の目に涙が溜まってるのがわかった。
「A、大丈夫。」
そう言って彼女を抱きしめる。
『剛、ダメだった!!あんなにやったのにダメだった!!剛ー!!!』
うわーんと幼い子供のように泣き始める彼女。
よしよしと彼女の頭をゆっくり撫でる。
「Aなら大丈夫。まだ他にも模試あるんでしょ?それに向かってまた頑張ればいいじゃん。辛かったらまた俺に当たればいいから。ね?」
『うん。
剛、ありがとう。』
「どういたしまして。」
『ねぇ、汗臭い。』
「....ひどくね....」
◯
時には俺も慰めて....
◯
剛くんベストナインおめでとうございます。
キャラが変わっちゃってるかな......
受験生ネタ多いどうしても自分になぞらえちゃいますね。
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作者名:amn | 作成日時:2017年10月26日 2時