S.M ページ46
『やっと俺の番やな〜、他の人らどやった？』「え？あ〜、みんな優しいし楽しかったよ？」
『何その歯切れ悪い感じ、何もされてへんやんな』
「何言ってるんよ、されてへんわ！」
『ならええんやけど、』「どこ行くん？」『Aの好きなとこ』
「え？」『着いてきて』「う、うんっ」
山奥の駐車場に車を停めて階段を登り始める
『手ぇ繋いでいい？』「ん、ええよ？」『Aの手冷たいなぁ』「冷え性やから」『あっためてあげる』
「僕の事弟みたいに思ってない？同い歳やし、なんならお兄ちゃんやねんけど」
『思ってへんよ、Aお兄ちゃん』「あ、バカにしたな？ちょっと背ぇ大きいからって」
『ほんまに弟みたいに思ってたら好きになんかならんから』
暗くて表情なんて見えへんけど、いつもみたいに優しい表情してるんやろなって繋がれた手から伝わった
なんて返していいかもわからんくてぎゅっと手を握り直した
『Aは俺の事好きになってくれへんの？好きにならんくてもずっと好きでおるから気にせんでええねんけど』
「普通に好きやよ、、？晶哉くんの事.でもそれが晶哉くんの言ってる好きと一緒か分からんねんもん、、、」
『今まで好きになった人に感じるのと一緒の気持ちやったり、そういうんはないん？』
「好きな人っていうのがあんま無いからなぁ」
『そっか、難しく考えんでええよ.俺が1番やったらなって思うけどAが幸せやったら俺も嬉しいから』
「あ、ありがとう…」
晶哉くんと今までの男は絶対違うって分かってるのにどうしても近くなるたびに呼吸が止まるしあの日の事がフラッシュバックする
『あっ！ほら着いたで頂上！』「これが僕の好きな場所？」『うん、やって好きやろ？星見て歌歌うん』
「好き、、やけど」
「何で、知ってるん？」
『A言ってたで？風邪引いてリハーサル出れんくなった時に看病しに行ったら海で空見上げながら歌ってたら雨降ってきて風邪引いたって』
「それ恥ずかしいから隠してたのに、、！弱り過ぎてたんかなぁ」
『もっと頼ってくれてええねんで.』
「これでもめっちゃ甘えてるつもりやし、」『……写真、撮らんくてええん』
「せやった！待ってて！」
持ってきたトートバッグを漁っているAを引き寄せて、ぎゅっと抱きしめた.
「晶哉、くん……？」
『A、もう何処にも行かんとって、、？俺の事だけ見て欲しい』
「そ、そんなんっ、」『A顔紅い』
「やって、そんなん耳元で言われたら…」『ちょっとは意識してくれてるみたいで良かった』
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作者名：緩菜 | 作成日時：2023年2月13日 0時
