愛ってなんですか《男主》 (ページ45)

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S.S ページ45

『乗ってええよ』「あ、ありがとうございます」
『緊張してるん？楽にしとき』「はい、ありがとうございます、あの」『ん？』

「こっち見て？」

『あ、撮ったな今』「今日はインスタントカメラも導入したんですよ」『へぇ、懐かしいなそれ』「ですよね、味出るかなぁって思って持ってきたんです！」

『Aめっちゃ楽しんでんな』「最初は僕で良いのかなって、不安だったんですけど写真を提出したらこの表情は榊乃くんにしか出せないよって言ってもらえて自信ついたんです」

『俺らもAやからやり易いし、Aやから本気になれる.ほんまに振り向いて欲しい相手やからな』

「、、それは…」
『じゃあ出発すんで』「え、っ……と、どこに、？」『それは内緒やな』

無言の時間が刻々と流れている今は夜の7時
周りの賑わいも車を走らせればどんどん無くなっていった

『暇やない？』「はい、でも…」『ん？』「や、何でもないです」
『気になるやん、言いや』「そんな、言う程の事でもないというか、何か無言だとドキドキしますねって、言いかけただけで」

『そっか』

そっかって、いや恋愛経験豊富な誠也くんには分かって貰えへんって分かってたから言わんかったのに…、

『俺も思ってたから、良かった.Aもおんなじ気持ちやったんやな』

「へ、？」

『どしたん拍子抜けした声出して』「誠也くんもそんな事言うんやなぁって、びっくりして」
『そんなことってなんやねん、俺だって普通の男やでドキドキ位するやろ』

「っ、それ、は、そうですけど…」

信号待ちでウィンカーの音だけが聞こえて、でもそれよりも自分の身体に響く鼓動が1番煩くて静かにしてって叫びたくなるくらいだ

『A』
呼ばれた方に反射的に向くと触れる位のキス

「せ、いやくん」『ん？』「ん？じゃなくて、」
『初めてや無いんやしそろそろ慣れてや』
「慣れれる訳、ないじゃないですか…」

『一生頬染めてんのも可愛いけどな』

「なんか弄ばれてるみたいで嫌です」
『は、、、？え？そんなつもりないねんけど、』「分かってますけど、誠也くんばっかり余裕そうで悔しいです」
『俺余裕そうに見える？』
「そりゃ、見えますよ…今までこうやって女の子落としてきたんやろなぁって実感しますし」

『Aそんなん思てるん、心配せんでも俺も思ってるよりも余裕ないで？』

差し出された手首から脈がドクドクと早く音を立ててるのが伝ってきて、ほんまや、、なんて妙に安心もする

『これが等身大の俺やから、レンズ越しじゃなくて今だけはAの綺麗な眼で俺の事見てくれへん？』