第1話 炎暑 ページ1
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「私のこと、知ってますか」
大学2年の夏休み。
私は地元でのんびりとした1週間を過ごしていた。
それは太陽の陽射しがやけに熱い日のことで、地元を去る前日。母校を訪れて校門の前、敷地内の奥に見えるグラウンドの方から響いて聞こえる野球部の勇ましい声に懐かしさを感じていた時だった。
すぐ近くで不自然に足音が止まる。
それが気になってふと振り返り、視界に映ったのが彼だった。
顔が綺麗に整っていて、ガタイもいい。普段なら人に突然声をかけるなんてしないし、増してやこうも綺麗な人を相手にしてしまえば尚更。
それでも彼が私を見て目を丸くしていたから。
もしかして、そう思った時にはもう口が動いていた。
「私、ここの生徒だったはずなんです」
そう言ったあと、彼は悲しそうに眉をひそめた。その表情に、瞬間的に、胸が押し潰されるような感覚が私を襲った。
この人なら私を知ってる。そう確信した。
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えす(プロフ) - かにかまるんさん» そう言っていただけてうれしいです!ありがとうございます。頑張ります! (2020年12月2日 18時) (レス) id: a45323d796 (このIDを非表示/違反報告)
かにかまるん(プロフ) - ASTROのお話少ないので嬉しいです!!これから更新楽しみにしています!主様のペースで頑張ってください!!応援してます…!! (2020年11月30日 1時) (レス) id: bc18b0ebfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:S | 作成日時:2020年11月23日 2時