列車の中で ページ7
列車に乗り組むと、直ぐにスーッと寝息が聞こえる。こっちだって寝てーんだけど…
そんな不満は心の奥底にしまって、書物を漁っている公家式さんに話しかける。
「公家式さんは、寝ないんですか?」
「私は大丈夫です。調査団は平日活動はあまりないので、昨日もちゃんと仮眠とったので」
俺たち五人組の下に付く班は、ほかの班から、それぞれの五人組リーダーの名前で班の名前が区別されている
志貴ノ班1。志貴ノ班2…みたいな感じで。
そして5人組は平日出勤で、土日が休みだ。あっちの平和な世界と同時に働いているのは先輩だけでは無いらしいけど…
基本的に取れる睡眠は3〜5時間程度。
長引きそうな時は、先輩が先に返してくれる…学業を疎かにするな!が、先輩の口癖だったりもする。
「先輩ぐっすりですね。」
よほど疲れてるんだろうなぁ、そう思う。
でも、ついて起こす時は、すぐ起きて目が覚めるからすごいと思う。
「一ノ瀬様も寝ないんですか?」
「俺は先輩を起こさせなければならないので。」
そう言うと、ガタンッと揺れて先輩の頭が俺の肩に倒れてきた。
殴りたいその寝顔…
「全く…」
そーっと定位置に戻す。
はぁ、と疲労がピークに達したとき、列車は急停止する
…簡単には、相手も行かせてくれないようだ。
「…早乙女さん起こしますか?」
少しとりみだしたシスターさんが俺に聞くが、俺は横に首を振った
「この程度は俺だけで、十分です。」
そこまで言うと、あとは振り返らずに、列車の窓を開けてそこから外に出た。
…さぁ、暴れるか。
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作者名:きりさ(喜多崎) | 作成日時:2017年3月15日 23時