薔薇の花束 (ページ7)

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○ ページ7

。 color PURPLE

金魚は結局あの赤い子しか掬えなかった。

デメキンちゃん欲しかったなぁ。

『君だけかぁ』

「自分で取ったんだろ」

『風磨のせいでデメキンちゃん取れなかったもん』

「俺のせいじゃなくて、Aが勝手に照れたせいな？」

『むー。あ、あれ行こ！』

私が見つけたのは射的屋さん。

やった事なくて、よく漫画とかでは見るからずっとやってみたかった。

もうそっちにしか目が行かなくなった私は、風磨のことも忘れて歩いて行っていた。

「ちょっ、A！」

『え、わぁ』

何かに引っ張られた感じがして、振り向くと風磨が少し焦った顔をして私の手を握っていた。

「ったく.....行くのはいいけど、俺と離れるのはダメ。すぐ迷子なるから」

『へへ.....ごめんね？』

「で、どこ行きたいわけ？」

『あれあれ！射的屋さんに行きたい！』

「はいはい」

『あ、手...もう離していいよ？』

「ばぁか、繋いどかなきゃまたどっか行くだろ」

『......行かないし』

こうして自然と手を繋いでくれて、私の行きたい所ばっか行ってくれて。

そういう所。

『.....大好き、』

「え？なんか言った？」

『風磨が大好きって言ったの～！』

「はぁ！？急にお前...恥ずいだろ」

『言いたくなったんだもん』

「まぁ、俺も.....」

『ん？』

「俺も、Aが好きだよ」