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。 color BLUE
「ねえ、平野さんっている？」
窓際の、一番後ろの席。
日当たりが良さそうで、本も読みやすい環境であろう席に彼女は座っていた。
見た目は、校則をしっかり守っている完璧な制服の着こなし。やや長い髪も下ろしていて、優等生って感じ。
「平野さん？」
『え？.....っと、あなたは？』
「俺は3組の中島 健人。よろしくね。実は、〔運命の本〕っていう本読んで、名簿見て来ちゃったんだ」
『え！？.....あ、いや。そう、ですか。それで、何か用ですか？』
「うん、今度の休日空いてる？」
『っ！？あい、てます』
あの本の展開通りにいっていることにびっくりしてるのか、俺がいう言葉１つ１つに反応するのが可愛くて。
これが、一目惚れってやつなのかな。なんて。
「ふふっ。この本の映画化があるらしくてさ、よかったら一緒にどう？」
『っぜひ！お願いしまっ』
【ごんっ】
「え、大丈夫！？」
『っつ....おねがい、します』
「おでこ、赤くなってない？冷やした方が...」
そう言って俺が彼女の前髪をかきあげると、おでこよりも真っ赤にした顔があった。
「え、」
『ほんと、大丈夫なので！また後ほど伺います！』
そう言って半ば無理やり話を終わらせて、走って行ってしまった彼女。
「.......可愛すぎでしょ、あの顔」
その後、連絡先を交換して、会う約束をした。
俺はと言うと、あの顔が忘れられなくて、彼女にすれ違う度に、彼女の声を聞く度に心臓の音が早くなった。
そして、日曜日。
待たせるわけにはいかないと、30分前に着いた俺は、そわそわしていた。
少し落ち着くために、もう一回あの本を読むことにした俺は、ある所で止まった。
｛ー彼女が待ち合わせ場所に来て俺は驚いた。普段の彼女からは想像できない、でも、彼女には似合いすぎている服。そして、恥ずかしそうにうつむく姿は、俺の心を簡単に射止めた｝
『あ、あのっ！』
「はい？.....っ」
『すみません、準備に手間取ってしまって...待たせてしまいましたか？』
俺が見た時とは180度違う髪型に、服装。
あんまりに可愛すぎて、見とれてしまう俺に彼女は言った。
『あ、あまり見られると、その...照れます』
その日俺は初めて、〔運命〕という言葉の意味を知った。
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作者名：aice | 作成日時：2019年6月30日 12時
