Painful love -4-

story102 生と死 ページ15

Aside

それから、半年後………。

治療で体力が持たなかったか、

空へと旅立って行った奈々ちゃん。









彼氏さんとも、デートに行けて

残りの時間は過ごせたものの………

そんなに早いとは思ってなかった。








母｢先生、色々とありがとうございました。｣

｢いえ、こちらこそ……。

私が、一方的に奈々ちゃんに

学ばせてもらった気がします。｣

母｢これ、奈々から先生へです。｣

そこには、奈々ちゃんが

いつ書いたか分からないけれども

書いた手紙があった。

｢後で、じっくり読ませていただきます。

ありがとうございました。｣








早速、家に帰って真っ先に読んだ。




A先生へ





A先生、元気？？



これを読んでるってことは




もう私、天国にいるんだね。




書いたのは、決断した日です。




A先生は、いつも大切なことを




教えてくれた。




たまに、恋バナもしてくれた。




とっても、その時間が楽しかったよ。




私ね、まだ生きたかったんだ。




これからピアノがもっと弾きたい




でも、腕を失うなんて




その先の方が、もっと辛い。




心配してくれたのにごめんね。




A先生は、めっちゃ美人だし




心が広くて、とても優しいし、




患者さん想いのお医者さんだし、




そこに、世の男性は惹かれるんじゃない？




旦那さんは、優しそうな人だった！




きっと、いい夫婦なんだろうね。




これから先も、大切な人と共に




素敵な人生を歩んでください。




先生、本当にありがとう！




先生と過した、7ヶ月間は忘れないよ！




A先生が、主治医で良かった！




先生と、出会えてよかった！




本当に、ありがとう！




天国でも、見守ってるからね！




奈々


私は、声を出して泣いた。

医者になって、これまで

辛かったことはたくさんあったけど

こんなに辛かったことはない。

やっぱり、医療の現場は辛い。

『病気の子供を大人にする。』

そんな、目標も無理だとわかった。

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