家庭科の先生は料理上手【ツイステ】 (ページ7)

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エースの期待ページ7

Ace Trappola

『……こんにちは。家庭科担当、A・クルスです。……初めまして、かな』

調理室に集まった俺らを待っていたのは、フード付きパーカーをきた小柄な人だった。

クルスさんは俺たちを見渡して、ぺこりと頭を下げる。

俺らもそれに倣って、頭を下げた。

調理室はそれなりに広いが、俺たち以外に人の姿はない。

……やっぱり皆来ないんだな。

来てなかった俺らが言うことじゃないけど、これマジで誰も来ない日とかあるんじゃね。

『……新しい子初めてだから、ちょっと緊張する……』

小さくクルスさんが呟いて、俺たちを見る。

……なんか、可愛い人だな。

俺らがクルスさんを見ているのがわかったのか、クルスさんはフードを深く被りながら俺らに言った。

『……その、人見知りだから……あんま、見ないで……欲しい、かな』

フードを被っても分かるほど真っ赤になったクルスさんに、少し興味が湧いた。

まぁ、だからといって何かするわけでもないけど。

俺が大人しく目線を逸らすと、隣でユウが元気よく声を上げた。

「クルス先生って何歳ですか？」

『……23、だよ』

ユウの質問に少し笑いながら答えるクルスさん。

それから『あぁ』と呟いて、俺らを見回す。

『じゃあ今日は質問……っていうか、自己紹介の時間にしようか』

「ふなっ！？俺様美味しいもの食べたいんだゾ！」

『……美味しいもの？……最後に簡単に作れる美味しいもののレシピ教えてあげる』

それなら良い？とクルスさんが言うと、グリムは大きく頷いた。

現金なやつ。

自己紹介かぁ、なんかちょっと恥ずいかも。

『……A・クルス、23歳。……この学校に来て1年目で、デイヴィスとは小さい頃からの知り合い……かな。……担当科目は家庭科、で……趣味は料理』

よろしくね、と言ってクルスさんは頭を下げた。

それから俺の隣のジャックを見て、笑う。

『……じゃあ、そっちの……狼くんから自己紹介、よろしく。……名前とクラス、あと部活と……好きな食べ物』

「っす。……名前はジャック・ハウル。1年B組で、陸上部。好きな食べ物は‥…洋梨のコンポート、だ」

えっと、今1番左端のジャックが自己紹介したから。

次は俺？

「エース・トラッポラ。1年A組でバスケ部っす。好きな食べ物はチェリーパイ！」