家庭科の先生は料理上手【ツイステ】 (ページ4)

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エースの提案ページ4

「家庭科の授業？」

授業終わり。

教科書を鞄に詰め込みながら、隣に座るエースを見る。

エースは私の呼びかけに首を傾げ、それから「あぁ」と頷いた。

「そ。……そういや一回も出てないなーって」

「え、そんなのあったの？私選んだっけ」

「入学前に……ってお前いなかったんだっけ」

「うん。……家庭科の授業あるなら行きたいなぁ」

「そ。だから明日一緒に行かない？って」

帰る準備が出来たのか、エースは椅子に座って私を見る。

隣ではデュースが「僕も行くぞ」と笑った。

隣でグリムが私を見上げ、それから大声で叫ぶ。

「ユウ！行きたいんだゾ！家庭科って料理するんだゾ？俺様、あのぎょうざってやつ作りたいんだゾ！」

「んー、餃子は作らないと思うなぁ」

私がグリムの言葉に苦笑すると、二人が首を傾げ「ぎょうざ？」と呟いた。

そっか、二人も知らないよね。

……うーん、なんて説明すればいいかなぁ。

私は二人に餃子とはどんなものか、絵を描いて説明する。

「……こんな感じで、小麦粉が原料の皮にひき肉とか、野菜とか包んで蒸したり焼いたりしたものだよ。美味しいんだぁ」

「……でも、何でグリムがそれ食べてんの？」

「なんか、最近オンボロ寮にご飯が届くんだよね。あったかいの」

「おま、それ危なくね？」

教科書の確認をしながらエースたちに言うと、エースが声を上げる。

デュースも隣で頷いていた。

でもあの美味しさを知ってしまったら食べないなんて無理だし。

……そっか、二人にも食べて貰えばいいじゃん。

「じゃあ二人とも今日オンボロ寮来ない？多分今日も届いてると思うし」

「ほんとに危なくねーの？」

「うん。美味しいだけ」

「なら行ってもいい」

というわけで。

部活がないらしい二人とたまたま通りかかったジャックを引き連れ、私たちはオンボロ寮へ。

案の定、扉には可愛い袋がかけられていた。

持ってみるとずしりと重い。

いつもとは違う感覚に首を傾げながら中を見ると、魔法瓶が三つほど入れられていた。

「何だそれ？」

「何だろ。……味噌汁だぁ……」

首を傾げ、魔法瓶をゆっくり開ける。

瞬間、中から香ってきたのは日本で嗅ぎ慣れた味噌の匂い。

中を見ると、味噌汁がたっぷり入っていた。

少し後ろの方にいたジャックが、すんっと鼻を動かしてお腹を抑えた。

……お腹空いてくるよね、わかる。