少女は幼女に転生しブラック本丸へ

46話 ページ46

薬「…琥珀、それ本気で言ってるのか？」

『へ？な、なにを…？』

愛「お前、声に出てたぜ？気まぐれで仲良くしてくれてるって……」



嘘！？気づかなかった…



薬研は明石様の方をチラッと見ながら私の方を向き、

明石様は両手を上げ何もしませんよアピールした。




薬「(確かに直接そう言った覚えはないが…気付かないのか？)

俺っちが、ただの気まぐれで人間と仲良くすると思うか？」

『お……おも、う？』





ｼｰﾝ







明「(思うんかい)」

愛「(そ、そこは思わないんじゃ…？)」






薬「……はぁ…琥珀、そりゃーとんでもねえ勘違いだ。」

『！！』



薬研は私の目線に合うようにしゃがんだ。

そして今にやって、やっと薬研の頭越しに明石様と目が合った。



私の姿を初めて目の当たりにした明石様はこれでもかと言うほど目を見開いた。

だが、私たちに気遣ってくれたのか、何も言葉を発するのとはなかった。




私は再び難しそうな顔をする薬研に目を向け、次の言葉を待った。




薬「俺っち…いや、あの部屋にいる全員は、既に琥珀を認めてるんだぜ。」

『え！？』



さ、小夜ちゃんと江雪さん、乱は知ってたけど…他の皆もだったの！？


てっきり気まぐれで「気まぐれじゃねえー」




『え、』

薬「声に出てた。気まぐれなんかじゃねえよ。」



うっ、また？





薬「……俺っちたちは、今でも人間を好きになれないのは変わらない。」

『……』





薬「…そんな俺っちたちが認めたのは、琥珀だからだ。」

『！！わたし、だから？？』


薬「ああ。気まぐれなんかじゃない。


俺っちたちは、心からあんたのことが好きなんだ。」

『っ！！』




そ、っか……ははっ、そうだったんだ……







『……わたしも、すき。』ﾆｺｯ


ずっと心がモヤモヤしてた。

皆は私と仲良くしたくてしてるんじゃないって。手入れが終われば自分はもう用済みかもって。


ずっと不安だった。







また、私のただの勘違いだったんだね……っ。








明「………」

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