35話 ページ35
〜乱side〜
『きれい…』
乱「!!」
『あ、』
綺麗…?
乱「……何が綺麗なの?」
ボクは思わず聞いてしまった。話しかけるつもりなんて無かったのに。
あの子はボクの質問に戸惑った。が、小さい声でボクの方を見て答えてくれた。
『え、……えっと…おねえさんの、かみのけ…』
ボクの、髪の毛……?
今までの審神者にそんなこと言われたこと無かった。
どんなにボロボロになろうと、髪の毛だけは毎日必死に手入れをしていた。
兄弟達にすら褒められたことなかった。別に褒めてもらいたくてやってる訳じゃない。
なのに……
なのに、どうしてこんなに嬉しいのっ?
乱「…ぁ……ぉ」
『??』
もう、いいや。
どれだけ警戒しても、どれだけ観察しても、一切の不審点を見つけられなかった。
もう、人間は信じないって決めてた。この子もきっと前任たちみたいになるに違いないと思ってた。
でも、そうじゃなかった。
本当は手入れの時にはもう気付いてた。あの澄み切った、暖かい霊力。
あなたに、もっと早く出会えていればよかった。あなたが、最初からボクたちの主さんになってくれればよかった。
……いや、5年前なんてまだ生まれてないか。
あの時、薬研が止めてくれてよかった。じゃないと、ボクはきっとあなたを殺していた。
本当に、殺さなくてよかった…。ごめんね、許してなんて言わないから。
せめて、一言だけ。
あり(ドンッ
『ぁッ!?』
「さにわはかりていきます。」ヒョイッ
え、
薬「なっ!!?」
骨「っ!!」
一瞬だった。
ボクは我に返り、急いでその子を取り返そうと手を伸ばした。
でももう遅かった。
乱「琥珀っ!!!!」
行き場を失った手はだらりと落ちた。
どうしよ…連れていかれた…。
ボクが、一番近くにいたのに……っ。
薬「油断した…とりあえず皆に知らせるぞ。」
骨「ああ…乱、行こう。」
ボクが、ちゃんと注意してれば……
もっと早く手を伸ばせば……
薬「乱、大丈夫だ。あいつなら琥珀を傷つけることはないはずだ。」
薬研はそう言って、ボクの肩に手を置いた。
乱「薬研……うん…」
ごめんね。すぐ行くから、待ってて……っ。
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鈴桜(プロフ) - めいさん» 愛染さんたち、怪我はなおったけど、また何かおきそう……兼さん〜〜三日月〜〜登場して〜あいたい (2020年7月29日 8時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - めいさん» は〜〜い〜〜!!((⌒∀⌒)) (2020年7月28日 20時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
めい(プロフ) - 鈴桜さん» 頑張りますー!!そっちはもう少し後に出てきますね、出すつもりです!もう少し待っててくださいね!( ̄▽ ̄) (2020年7月28日 19時) (レス) id: 6cecd18213 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 続きどうなるか凄くきになります!まさか、愛染さんたちも登場してくれた。平安時代の刀や幕末の刀はどうなるかな?(龍馬の刀や土方さんの刀) (2020年7月28日 18時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - めいさん» 今剣〜〜!!義経の刀と弁慶の刀とのあった!!どうなるかな?続き頑張って (2020年7月28日 8時) (レス) id: 02b3e189b5 (このIDを非表示/違反報告)
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