少女は幼女に転生しブラック本丸へ

25話 ページ25

〜燭台切side〜


手入れをしたのは、僕が悲しそうな顔をしたから。


彼女はそう言った。




鶴「ッ！！！」

『〜〜〜っ』ﾑｽｯ



鶴さんは予想外すぎる返答に何も言えず、琥珀は大きな目に涙を溜め、鶴さんを睨んだ。


燭「琥珀……っ」

僕も、何も言えなかった。



この子は、まだ会って数日の僕らに、なんでそんなに優しいの？

手入れを受けて彼女自身をわかったと勝手に思っていたが





琥珀の心は、僕が理解している以上に綺麗すぎた。






鶴「ぁっ、悲しい、顔を……？」

『……うんっ』



鶴さんは俯いたかと思えば、不思議そうな、困ったような顔を彼女に向けた。



鶴「それだけか…？お前には、なんの利益もないじゃないか……っ。」



今までの審神者は自己利益のことしか考えなかった。きっと、鶴さんには彼女の言動が理解できないんだろう。




『あるっ！』

鶴「！！」

『りえき、あるよっ！』




ねえ、鶴さん……




『みつたださん、うれしいの、わたしも、うれしいっ！だから、りえきは、ある、よ？』



もう、十分でしょ？

僕達は、きっとこれから先も彼女にかなうことはない。








鶴「………ははっ、そ、うだな……なあ、光坊」

燭「ん？？」

鶴「…悪かったな……」

燭「なんの事？僕的には謝罪よりも感謝がいいかな。」



謝罪するなんて、鶴さんには似合わないさ。




鶴「っ…ああ、そうだよな。………ありがとう。」

燭「うん、どういたしまして。」ﾆｺｯ






久しぶりに、鶴さんの本当の笑顔を見れた。

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