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次の日。
今日は美緒が寝坊したということで、私は1人で電車通学。
中学の頃は寝坊した美緒を待っていることはできるけど、高校となると電車の時間もあるし、中々待つことはできない。
仕方ないか。
電車で2駅先にある、高校の最寄り駅。そこへ着くと、私と同じ制服の人で溢れている。
美緒、ひとりで電車乗れるのか?高校まで行ける? と、不安が少しあるけど、大丈夫だろうと思っておこう。
ひとりで高校までの道を歩いていると、ポン、と急に後ろから肩を叩かれた。
「A、おはよ」
「!」
振り向くと、笑顔の平山とその友達らしき人がいた。
最悪だ。タイミング悪い。そう思いながら、私はくるりと前を向き、歩き出す。
「どちら様ですか」
「忘れてないでしょ、オレだよオレ」
「知らない」
「何言ってんの、A。せっかく昨日仲良くなったのにさ!」
コイツの頭の中、美緒と同類だ。そう思ったから、こう返した。
「てかあんた、私より美緒との方が合うから、私に構う意味ないと思う」
「オレはAと仲良くなりたい」
「怜、お前嫌がられてんぞ。昨日仲良くなったとか言ってたけど、お前の妄想とかじゃないよな?」
平山の友達が控えめにそう言った。その通りです、お友達さん。
「妄想じゃないって!ちゃんと話したよAと!」
「お前それになぁ、初対面の人との距離が近すぎんだよ。あと女が皆、お前と仲良くしたいわけじゃねぇんだって」
うん、そうだ。お友達さん、もっと言ってやってくれ。
「じゃあ、私はこれで」
私は平山でなく隣にいるお友達さんに目を向けてそう言い、高校の正門を通り昇降口まで走って行った。
「Aー!また教室でねー!」
平山の声が聞こえたけど、無視無視。
私は、ただ単にああいう人と関わらずに静かに過ごしたいんだから。
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めぐむ(プロフ) - Sakuraさん» Sakura,読んでくれてありがとう! (2017年12月28日 10時) (レス) id: b32ef37eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - 可愛いお話(*^^*) (2017年12月27日 18時) (レス) id: 085712002d (このIDを非表示/違反報告)
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