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それから入学式も終わり、解散となった今。
「ビックリしたよ!Aが男の子と友達になってるなんて!」
「いや、だから友達じゃなくて……」
「Aとは隣の席で仲良くなったんだよ」
いや、仲良くなってないよ。
記念写真を撮る人たちで賑わっている昇降口。親と離れた場所で、何故か私は美緒と平山に挟まれていた。
「きゃ、もう名前呼び?A、彼氏はいらないんじゃなかったの?」
「彼氏でも友達でもないから!」
「えっ、友達じゃん?」
「……もうあんたたち二人で喋ってて」
私は深いため息を吐く。
「そういえばキミ、Aの友達?」
「うん。池崎美緒。えーっと、平山くんだっけ?」
「そうそう、怜でいいよ」
「怜くんね!私のことも、美緒でいいよー」
「おー」
うん、これでいい。私抜きで仲良くやってて。そして、何で二人で話してるのに、美緒は私を逃がすまいと腕を掴んでるの?
「やったね、A!こんなカッコいい子が隣の席なんだから、早く捕まえなよぉ」
小声で美緒が私に言ってきた。その楽しそうな表情、何。
「やだよ、平山と仲良くしたくない」
美緒の、私の腕を掴む力が緩くなった隙を狙って、私は二人の間からサッと逃げる。
「あっ!ちょっと、何で逃げるのー!」
美緒の声が聞こえる。私は隠れようと思って、校舎の裏に回る。
すると、駐車場に出た。なるほど、裏は先生たちの駐車場になってたのか。
そう思っていたら、カサ、と何かが頭の上に落ちてきた。
頭の上に手をのせてそれを取ってみると、よく知ってる形のものが。
「プリント……の、紙飛行機?」
何で私の頭の上に落ちてくるんだろう。そう考えていると、ごめん!と上の方から声がした。
校舎の2階窓から、顔を出した男の人。
「それ、オレが飛ばしたやつ。そっち行くから、ちょっと待ってて」
その低い大人びた声は、聞き覚えがあった。
あ。この人、あれだ。朝、女子から騒がれてた先生。
で、何でその人が紙飛行機を?遊んでたの?
「……とりあえず、待ってるか」
少し待ってると、校舎の裏口から人影が見えた。
「ごめん、待たせちゃって」
「いや、大丈夫ですけど。紙飛行機、どうしたんですか?」
思っていたことをそのまま言うと、その先生は少し目線を逸らした。
「あー、何でもない。忘れて」
いや、紙飛行機飛ばす先生なんて見たことないし、忘れるわけないよ。
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めぐむ(プロフ) - Sakuraさん» Sakura,読んでくれてありがとう! (2017年12月28日 10時) (レス) id: b32ef37eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - 可愛いお話(*^^*) (2017年12月27日 18時) (レス) id: 085712002d (このIDを非表示/違反報告)
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