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「それでねぇ、手の大きさ比べるの口実に、成瀬先生の手触っちゃったんだ〜!」

「そうなんだ」

「手小さいね、って笑って言ってくれて、もうめっちゃキュンってした!!きゃっ!」



6月上旬。

じめじめした時期の電車内にいるだけでも嫌なのに、それに加えて隣でうるさい美緒の話を聞いているから気分は悪い。

美緒は何で朝からこんなうるさいんだろう。



「てか美緒、浮かれすぎじゃない?」

「へへ、だって先生に毎日会えて嬉しいんだもん」

美緒は頬を赤く染めてそう言った。先生を好きになったからか分からないけど、最近の美緒は前より可愛い。


「今月末に期末テストあるけど、大丈夫なの?」

「……だ、大丈夫じゃない!けど、そんなのより」

「先生にバカな女だと思われるよ、結果悪かったら」


私の言葉に美緒は黙り込んだと思ったら、急に抱き着いてきた。

「え、ちょ、気持ち悪いんだけど」

「A!!勉強教えてよぉ!バカって思われたくない!!」

「……電車内だから、静かに」

「お願い!!A〜!」


周りの人たちからの視線が刺さる。コイツは注目されてることに気づいてるんだろうか。


「分かった!分かったから、とりあえず静かにして。あと、離れて」


小声でそう言うと、美緒はパッと笑顔になる。それで、ごめんね、と舌を出しているから、コイツ確信犯だな、と思った。



ふと美緒の顔を見ていると、いつもと違うことに気づく。


「今日、いつものグロスじゃないんだ」


美緒はいつもピンクのグロスを唇に塗っているけど、今日はほんのり赤いリップが塗られていた。


「あ、気付いた?ピンクだと子供っぽいなって思い直してみたの。赤の方が大人っぽいから、先生、見てくれるかなって」

そう喋る美緒は楽しそうだった。



そういえば……思えば最近、美緒は色々と持ち物を変えていた。


キラキラデコっていたノートはシンプルなデザインに戻していて、派手な色のペンケースは落ち着いた色だけど可愛いデザインの物にしている。

他にも、鞄につけていたうさぎのマスコットをシンプルなイニシャルのストラップに変えていたり、髪型は毎日二つ結びだったけど、時々編み込みをしたり髪をおろしていたりと、工夫している。



それは全部、先生に見てほしいから。美緒、頑張っているんだな。



そんな美緒を見ていると、最近、何か胸に刺さるものがある。

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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 学園   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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めぐむ(プロフ) - Sakuraさん» Sakura,読んでくれてありがとう! (2017年12月28日 10時) (レス) id: b32ef37eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - 可愛いお話(*^^*) (2017年12月27日 18時) (レス) id: 085712002d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めぐむ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2017年12月27日 14時

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