コイイロパレット。【オリジナル】 (ページ23)

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「いった……」

目が覚めると、頭痛に襲われた。ズキズキ、と嫌な痛みだ。

どのくらいここにいたのか分からないけど、とにかくここから出て教室へ行かないと。

そう思って立ち上がると、スカートのポケットからスマホが落ちた。

「……通知、すごいきてる」

スマホを拾うと、12：30と時刻が見えた。もう昼休み？
そう思いながらメッセージアプリを開くと、平山と汐崎からメッセージが届いていた。

REIおい、授業出ないでどこ行ってるんだ?
REIAー!
REIとりあえず、昼休みには戻れよ!説教してやる!

平山は、私が授業をサボっていたと思い込んでいる。まぁ、いいか。とりあえず、今行く、とだけ返信した。

次に、汐崎とのトーク画面を開く。

汐崎直人怜から聞いた、椎名サボリしてるんだって?
汐崎直人既読つかないけど、大丈夫か?つか、何か危ないことに巻き込まれてないよな?
汐崎直人昼休み、屋上で待ってるからな

これにも、今行く、とだけ返して、私は歩き出した。

まだ少し頭は痛むだけど、大丈夫。

今回は、少し油断してた。アイツら、後ろから殴りかかるとか卑怯でしょ。

旧校舎から本校舎へ戻って2組の教室へ向かっている途中、1組の女の子に囲まれている成瀬先生を見つけた。その中に美緒もいた。

チラリとそっちを見ると、先生が、何か口パクで私に言っている。『だ、い、じょ、う、ぶ？』

『大丈夫？』ってこと？そうか、3限目は英語だったから先生も私がいなかったことに気づいているんだ。
私が頷いたら、先生は微笑んでくれた。

周りの子たちはそれに気づいてないみたいだけど、美緒だけ私の方に視線を向けていた。

「……み、」

美緒。と言いかけた瞬間、顔を背けられて、何も知らない顔して先生と話し始めた。

朝もそうだったけど、美緒が急に素っ気なくなった。

喧嘩したわけじゃないし、今日も一緒に登校したけどその時は普通だったし……一体、どうしたんだろうな。

まぁ、それは後で聞こう。

「てか、今日は美緒屋上に行かないんだ」

いつも4人だったけど、今日は3人。別に構わないけど、私に一言くらい言ってくれたって良いのに。

そう思いながら、教室にお弁当を取りに行って、屋上へ向かった。