コイイロパレット。【オリジナル】 (ページ22)

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「ねぇ。こんな所に呼び出しておいて、何のつもり？」

私の声が静まった教室に響く。

2限目の後の休み時間。私は突然、クラスの女の子数人に旧校舎の1室に連れていかれた。

いつか来るとは思っていたけど……。

「椎名さん、分からないの？」

「最近、調子乗りすぎなのよ」

「平山くんと隣の席だからって仲良くしちゃって」

そんな言葉を言われるけど、私にはどうってことなかった。こんな事、慣れているし。

「それで？後は？まだ言い足りないんじゃないの？」

私が言うと、彼女たちの顔が歪んだ。

イラついているんだ、この人たち。私がいつまでもこんな態度だから。

「ムカつくのよ、あんたのそういう目が！」

ガタン！！

いきなり腹部を蹴られて倒れたせいで、机や椅子が音を立てて動く。

けっこう痛いな。けど、1発だしまだ大丈夫。

「私だって、あんたたちのことムカつくよ。誰かと一緒じゃないと、こういうことも出来ないんでしょ？」

「うるさい！！」

ガシッ……。私は、蹴られる寸前に、その人の足を掴んだ。当の本人は驚いている。

「うるさいのは、あんたたちの方」

私はそう言って、その人の足を静かに降ろす。

床を見ると、今まで気づかなかったけど、金属バットが置いてあった。何だ、これで私を痛みつけようとしたのか。

「っ、怜は、何であんたなんかを気に入ってるのよ！」

「そんなの、私も知らないんだけど」

「怜だけじゃない。3組の汐崎くんってカッコいい子とも仲が良いって」

「結局、あんたたちは何を言いたいの？」

私が聞くと、その人たちは唇をかみしめた。

「っ……」

「てか私、もう戻るね」

私が勝手に扉の方へ向かうと、後ろから腕を掴まれる。

ガツン！！！

素早い動きだった。何か堅い物で頭を殴りつけられて倒れ込む。

予想外。ここで何かされるとは思わなかった。酷く痛む頭を抑えながらそう思った。

「えらそうに言いやがって！！あんたなんか、一生そこにいろ！」

その叫び声と扉が閉まる音は耳に入るけど、体が動かない。そして、次第に意識が遠くなった。