white03 ページ3
音楽プレイヤーと本を鞄に仕舞い、机の横にかける。
「オレは平山 怜。キミは?」
「……田中久美です」
「ウソでしょ」
「…椎名A」
「Aって名前なんだ。へぇ、いいね」
グッ!と親指を立てる彼、平山怜。
「じゃあ、Aはさー」
「いきなり名前呼びとか、距離近い」
「Aは、部活何入る?」
普通に無視されたけど、もういいや。めんどくさいから、このままで。
「決めてないけど。てか決めてても、あんたには教えない」
「オレは中学の頃バスケ部だったから、そのまま続けるつもりー」
「誰もあんたの部活なんか聞いてないって」
私が小声で呟くと、平山 怜は人の良さそうな笑顔でこう言った。
「あんた、じゃなくて、怜でいいよ」
「……上から目線、うざい。平山ね」
「ええええ、怜って呼ばない?」
「呼びたくない」
「友達じゃん!オレら!」
「私は友達になるつもりない」
周りが小声で喋ってる中、私たちは一際大きな声で騒いでることに気が付く。
「ひどいなぁ。Aって、性格きついって言われない?」
私は慌てて黙り込んで、平山にも「黙れ」という視線を送る。いや、送ったつもりだった。
平山は何を勘違いしたのか、私に微笑む。
「オレがカッコいいからって、そんなに見つめるなって!」
「……いい加減、黙ってくれない?」
私はキッと睨みつけるけど、平山はニコニコしたままだ。
もうやだ。席替えしたい。
切実にそう思った。
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めぐむ(プロフ) - Sakuraさん» Sakura,読んでくれてありがとう! (2017年12月28日 10時) (レス) id: b32ef37eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - 可愛いお話(*^^*) (2017年12月27日 18時) (レス) id: 085712002d (このIDを非表示/違反報告)
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