white20 ページ20
「じゃあ私、電車の時間来るからもう帰るね」
「え、おいA。今の流れで帰るのかよ〜?」
私はスマホで、さっき登録したばかりの平山のアカウントにメッセージを送る。
Aバカじゃないの
その瞬間、平山のスマホから受信音が聞こえ、平山がそれに気を取られている間に私は部屋の出口へ行く。
「椎名、また明日」
「うん」
一言そう言って、私は平山の家から出た。
駅まではさっきの道を通って行く。
「……美緒に、連絡しないと」
歩きながらスマホを開いて、美緒にメッセージを送る。
A今さっき平山の家行って、昨日の事言ってきた
すると、すぐに既読がついて返信が送られてくる。コイツ、暇なのか。
美緒良かった!じゃあ、もう仲は戻ったんだね♪
A戻ったも何も、元々仲良いわけじゃない
美緒はいはい。そういえば、怜くんの家、よくわかったね!
A平山の友達に教えてもらった
美緒あ!昼休み一緒にいたイケメン?
Aその人
美緒何、仲良くなったんだ?その子と!
A仲良くなったわけじゃないけど、それなりには
美緒もう!そこは、仲良くなったよ、でいいの!
A細かいなぁ
電車の中でも美緒と会話をして、私の家の最寄り駅に着くころには、すっかり辺りは暗くなっていた。
駅から出ると、平山からメッセージが来ていることに気が付いた。
REIA!登録したなら黙ってるなよー!
しかし、REIだと誰か分からなくなるな。あ。私が平山って呼んでるからか。
A黙ってたわけじゃない。聞かれなかったから
「これで、いいのか」
空の色が濃くなっていく。
この人たちを、友達と呼んでいいのか。人付き合いなんて面倒だし苦手だと思い続けてきたから、こんな気持ちになるのは初めてだった。
友達で、いいんだよね。
そう心の中で呟いた。
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めぐむ(プロフ) - Sakuraさん» Sakura,読んでくれてありがとう! (2017年12月28日 10時) (レス) id: b32ef37eb7 (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - 可愛いお話(*^^*) (2017年12月27日 18時) (レス) id: 085712002d (このIDを非表示/違反報告)
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