【wrwrd!】ベゴニアを離す。【gr】 (ページ4)

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グルッペンから逃げた次の日から、奴は今まで以上に付き纏って来る様になった。凄く困る。本当に困る。朝の投稿時間や昼休み、帰る時に着いてこようとする。挙句の果てには校門で待ち伏せ。逃げるのもようじゃない。ただ、環境が私に味方してくれた。グルッペンには女子ファンがアホみたいにいる。一応グルッペンにもある程度の良心があるらしく、女子達を物凄く邪険に扱うという事はしないらしい。校門で待つグルッペンに餌を与えられた鯉みたいに群がる女子達を後目に裏門からそそくさと逃走。もれなく家で気持ち悪くなって花を吐くのだが。そこは仕方ないと受け入れた。こんな感じに逃げて数日間やり過ごしていた。

今日は補習があっていつもより帰るのが遅い予定だったけど先生の都合で中止になった。もしかしたら居るかもしれないと思って身構えて逃げる準備をしていたけど、一向に来る気配が無い。これはありがたいと思った瞬間、通りがかりの女子の声が聞こえた。

「今日学校1の美少女の桐野さんが校舎裏でグルッペン君に告白するらしいよ！」
「え！マジ！桐野さん可愛いし、あの難攻不落のグルッペン君も落としちゃったりして！」
「そうなったら、学校1の美男美女カップルの誕生！？めっちゃお似合いじゃん！羨ましいー！」

グルッペンが、桐野さんと、付き合う？

そう思った瞬間、何故か私の足は校舎裏に向かって動いていた。私が行ったところで何も変わらないのに、
居ても立ってもいられなくなって走っていた。

校舎裏に2人が立っているのが見える。

全力で走ったせいで息が荒い私は、影に潜んで様子を見ながら乱れた息を整えることにした。

なんでわざわざ見に来ちゃったんだろう...。ただでさえ病気なのに、ここで吐いたらどうすんのよ。ここまで来ておいてなんだけど、帰ろうか、な...

2人の間を見た瞬間、...見てしまった瞬間。

桐野さんが、グルッペンに抱きついていた。

込み上げてきた物が喉につっかえて苦しい。

『ゔぁ...、お゛ぇっ…ゔぇ...…おえっ…。けほっ、けほっ！！っ…』

その気持ち悪さのまま、私はベゴニアを地面にぶちまけた。

自分がそのまま地面に倒れた事が、薄くなっていく意識の中でもはっきりと分かった。

「 ...！A、......！」

駆け寄ってくるグルッペンの姿がうっすらと写り、私の意識はフェードアウトした。