231話 ページ25
『李斯は近いうちに、私を憎む奴等を集めて戦争を仕掛けるだろう。大掃除はその時さ』
勒「Aさん、そこまで考えてたのか…」
石勒はAの策略に感服を示した
襲撃事件の数日後、Aは李斯一派を朝廷の中枢から悉く追放し、代わって自身の配下や仲の良い者達を重職に就けさせた
また蒙恬と王賁には、嘗て李斯に潰された献策を復活させた
兵士達はこれに大喜びし、蒙恬と王賁はAに感謝して、ますますAに傾斜していった
そんな中、嘗ての楚や魯の地で反乱が勃発した
この地は旧楚の貴族の力がまだ強く、不安定な地であったのだ
「秦の酷法を討ち滅ぼせ!」
「最も自由だった、六国の時代に還るのだ!」
反乱者は秦の滅亡と法治主義の根絶、六国の復活を掲げた
扶越はAを呼ぶ
越「楚で発生した反乱だが、どのようにして抑えるつもりだ?」
『奴等は、搾取と贅沢三昧が出来なくなって反乱を起こしたのであり、民の支持はありません。基本に沿って戦えば、問題ないしょう』
越「そうか。では10万の兵を預ける!王賁と蒙恬と趙玲を率い、反乱を鎮圧せよ!」
『は!』
Aは蒙恬、王賁や趙玲と共に出征する
Aの出征を知った李斯は、最後の望みを懸けて、信の元に向かった
信「元丞相が俺に何の用だ?」
すると李斯は、頭を地面に付ける
斯「李信大将軍…どうか俺と協力して拓跋Aを討ち、秦国を守ってくれ!!」
突然の頼みに信が面食らう
信「ちょっと待てよ!俺は政治の事情なんて分からねぇし、元帥もそこまでする気は…」
斯「奴の権勢は並ぶ者がいない!奴にその気がなくても、拓跋Aの子孫もそうとは限らんのだ!」
信「!」
信の心に頷く物があった
貂「確かに、元帥の今の振る舞いは目に余るけど…アンタが他の武人から恨まれてるのも事実だ。それを見てると、アンタに私欲がないとは言い切れないけど…」
斯「この李斯…私欲は全くない!全ては秦王朝の為だ!」
李斯の文官とは思えない迫力に、思わず河了貂もたじろぐ
信「分かったよ」
貂「信!?」
信「俺も李斯の事を誤解してたぜ…最初は趙高みてぇなクソと同じだと思ってたが、コイツは心から秦の事を考えてるんだ。俺も秦の為に協力してやるよ」
斯「感謝する…!李信大将軍…!」
こうして信は密かに軍を集めていき、李斯は檄文を書いた
内戦の時は間近であった
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作者名:やなゆ | 作成日時:2022年5月13日 17時