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228話 ページ22

Aの追い落としに力を入れる李斯だが、足元に火が点く出来事が起こる



先の西方遠征で、蒙恬と王賁は信に並ぶ功績を挙げるも、恩賞は信よりも少なかった

実は李斯が武臣勢力の軍閥化を恐れ、Aと仲の良い蒙家と王家を抑えつけたのだ

蒙恬と王賁はこれに大いに不満を抱く様になる

また蒙恬は知略に優れ、王賁は驍勇であり、幾度も戦功を立てていたので、二人は宿将から恐れられていた

蒙恬と王賁は、兵士達に金銀財宝を下賜するよう扶越に上奏するも、李斯はこれを一切認めず、更に武官の勢力を押さえ込もうとしたので、皆これに憤る

また、李斯の側近である王棺と馮去疾は扶越へ、蒙恬と王賁の兵権を奪うよう進言した

二人はこの措置に対し、露骨に李斯への憎悪を露わにするようになり、ここに至って遂に李斯達は蒙家と王家の族滅を、扶越へ進言した





棺「王賁と蒙恬の、臣下に有るまじき振る舞いが次第に明らかとなって来ています。私はこれを誅殺すべきと思いますが、皆さんはどう思いますか?」

多くの文官はこれに賛成する

悠「嘗て私の従弟の遷は、母上達を追放して郭開を用い、燕王喜は太子丹の計略を用いて秦との盟約に背き、魏王假は忠臣で名将の呉鳳明を投獄しました。この三人の君主は、皆古来のやり方を変えて国を失い、災いはその身まで及んだのです」

越「…」

悠「蒙氏と王氏は秦の大臣であり、謀士であります。それなのに、陛下が一朝にして彼らを捨て去ろうと望んでおられるのであれば、私はよろしくないと考えております。忠臣を誅殺すれば、朝廷のうちでは群臣たちがお互いを信じることができなくなり、外地では戦士たちの心が秦王朝から離れてしまいます。陛下は小人の讒言に惑わされず、諫言をお聞きくださいますように…」

越「相分かった。お前の言うとおりにしよう」

こうして計画は、ひとまず取りやめとなった



斯「くそっ!趙悠め!今は何も出来なかったが、いずれ拓跋Aや蒙恬、王賁を族滅したあとに、母親共々八つ裂きにしてくれよう!!」

だがこのことは、李斯の家の召使いによって、趙悠へと密告される事になる

悠「李斯よ…先帝が生きていた頃は、周公旦や召公奭に比肩した英臣であったが…完全に国を蝕む害虫に落ちぶれたか…」

李斯を見限った趙悠は、決意を固める

悠「自分を忠臣と思い込んでる悪臣程、始末の悪い者はいない…お前は蒙恬と王賁に伝えよ。"武力を持って李斯一味を討ち、国を護るべし"とな」

趙悠は使いを送った

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作者名:やなゆ | 作成日時:2022年5月13日 17時

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