182話 ページ21
一方、将渠は包囲から抜け出せず、苻雄の矢が大量に突き刺さった
将「最早…これまで…」
覚悟を決めた将渠は、自害して果てた
壊滅的な惨敗を喫した燕軍は、オルドが生き残りを纏めると、薊城に撤退した
オ「現在我が軍の士気は大いに下落しています。軍の士気を上げるために、恩賞を与えるべきです」
丹「役立たずに恩賞などあるものか!功績を挙げてから言え!」
オ「…!」
オルドは、丹に呆れ果てた
丹は兵士に死戦を行わせるために、先祖の墓を掘った
丹「抵抗しなければ、貴様らを殺す!」
これにより、兵士の士気は益々低下した
王翦は燕の都の薊に攻めかかった
一週間は頑強に抵抗していたが、一週間後にはあっさりと陥落した
実は丹が燕王喜と共に城を捨てていたのだ
民には徹底抗戦を要求しながら、自身は戦わずに逃亡する…そんな燕王室の姿勢に、愛想を尽かしたのだ
飛信隊は、逃げる丹を激しく追撃する
信「オッサンを殺して、政に刃を向けた燕の太子は絶対に逃がすな!俺達の手で捕まえるんだ!!」
「「おおお!!」」
信が猛追撃を繰り広げた
喜「しつこい奴等だ…!」
鞠「…一つだけ、滅亡を回避できるかも知れない方法が、あるやも知れませぬ…」
喜「何だ?」
鞠「やはり辞めましょう…大王様には言えませぬ…」
喜「構わぬ。言ってみよ」
鞠「では…李信がなお燕を急追している原因は、太子様にあります。王が太子様を殺し、秦王に献じれば、秦王は必ずや兵を解き、社稷が続けられるでしょう…」
喜「…」
鞠「やはり…今のは聞かなかった事にして下され…」
喜「…待て!…仕方がない。丹に刺客を送り、自決を求めよ」
鞠「…!ははっ…」
丹の元に刺客が送られ、自決を迫る
丹「私は都が落ちた時に、死んだ事には出来ぬのか?」
「秦王が首を見ずして、信用しましょうか」
丹「しかし、あんな奴の為には死にたくない!」
「元はと言えば太子様が諫言を聞かず、意地を張ったからこうなったのです!潔く自害を…」
丹「嫌だ!」
「なら私が手伝います!」
刺客は丹を殺そうとする
しかし丹は、妻子を身代わりにして、この場から逃げ出した
丹「死んでたまるか…!私は楽毅や昭王を超える男…!こんな所で死んでいい人間ではないのだ!!」
妄言を吐きながら逃げる丹だが…最早この世に丹の居場所は無かった
礼「隊長!あの男…燕の太子とやらではないか!?」
信「あぁ…間違いねぇ!捕まえろ!」
丹は抵抗するも、信に捕まった
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:やなゆ | 作成日時:2022年4月29日 9時