155話 ページ39
秦は韓を滅ぼすと、潁川郡を設置した
咸陽に連行された韓安は、死を覚悟していた
だが政は自ら韓安に酒食を饗し、豪勢な屋敷を宛てがった
そして、王族や貴族子弟達への教育を頼んだのだ
韓安は博識ではあったが、厳格な人物だと言われていた
だが、国家の重責を外れてから肩の荷が下りたのか、秦では好々爺となった
「大王様…あんなに朗らかな人だったか…?」
張「大王様は、元々あんな性格だ。ただ、国家の危機と言うことで、ピリついていただけだ」
その為、最初は警戒していた生徒達も、"韓おじさん"として韓安を慕う事になる
韓の宰相であった張平は、潁川郡の知事として故国の統治を任された
秦が韓を滅ぼした事は、秦の姿勢を改めて鮮明にして、諸国を怯えさせた
だが、震えない者もいた
燕「そうか…韓を滅ぼしたか」
温「項燕様…怖くないのですか?」
燕「怖い?まさか。嬉しいんだよ…あれで勝ちにはしたくなかったしな。今度は、本当に殺してから勝ってやる」
項燕は覇気を滾らせる
そして前229年4月…いよいよ、六国最大の敵…趙国との間に決着を付けようとする
成都の傷痕から完全に立ち直った秦は、対趙戦線に投入出来る限りの兵を投入していく
休養充分な兵の士気は、天を貫かんばかりとなり、Aも総大将として自身に満ち溢れた表情で、戦線に立った
邯鄲の目前にある長城は、李牧が設計しただけあって恐ろしく頑強であり、趙軍はここに立て籠もっていた
玲「…司馬尚、王都に送った使者はまだ帰ってこないのかしら?」
尚「はい。梨のつぶてです」
淵「韓を滅ぼし、秦軍の数は日増しに増強されているそうで、その士気は凄まじいとの事で…」
尚「それに引き換え、国内の飢饉は幾分か収まったとはいえ…こちらは日増しに食糧さえも乏しくなり…このままでは、我等は敵よりも飢餓と戦わなくてはならなくなる…!」
傅「ここが落ちたら、邯鄲はどうなると思ってんだよ…!首脳部だってそれは分かってる筈だろ!?」
カ「もう一度…増援と食糧の補給を依頼しますか?」
玲「そうして頂戴。ここは国家の存亡に関わるわ…!」
再び使者が邯鄲に向かうも、音沙汰は帰って来ない
舜「この状況…やはり…殺されてるか、追い出されているのでは…!」
玲「…!」
聡「ここは、私が赴きましょう」
玲「うん。今や、趙国が生き延びられるか、滅びるかの瀬戸際にあると言うことを說明してきて」
聡「はっ!」
劉聡は、邯鄲へと向かった
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作者名:やなゆ | 作成日時:2022年3月28日 7時