147話 ページ31
空「私が趙玲将軍を補佐し、秦とぶつかりましょう」
遷「どういう事だ?」
空「私は兵は率いた事はありませんが、若い時から呂不韋様に仕えていたので、地形には詳しいし、秦の内情もよく知っています」
遷「申し訳ないが、軍務経験のない人間に、そのような大役は任せられない」
ここで、司空馬は見切りをつける
空「私の策は、今申し上げた事で全てです。お聞き入れないのであれば、私はお暇を乞いたいと思います」
遷「そうか…邪魔して悪かったな」
司空馬はその日の内に邯鄲を去った
公孫龍が司空馬を見送り、趙の行く末について訊ねる
空「…残念ですが…趙は拓跋Aにより、滅ぼされる事でしょう」
孫「…そうですか…」
空「ですが、新三大天のお三方がいれば、悪くても3年は持ち堪えます」
孫「…!それでも3年ですか」
空「しかし…お三方が死ねば…趙は2月も保たないでしょう」
孫「趙玲様達がいなくなる可能性があると…!」
空「公孫龍殿は、宰相の郭開はご存知ですね?」
孫「勿論です」
空「郭開は賢者を疎み、勇猛な名将を忌み嫌う性質をもっています。それでいて、趙王には信頼されているのです」
孫「…」
空「郭開が趙玲将軍を憎んでいるのは、そこらの奴れいでも知っています。そして李牧殿と違って、趙玲将軍は中央の文官の経験がなく、悪臣の陰湿な攻撃の躱し方を知りません。趙王は、イザと言うときには郭開らの意見を聞くでしょう。趙玲将軍達は趙にいる限り、天寿を全うする事は出来ないかと…」
孫「三大天に災いが襲いかかりそうですね…」
空「それでは…私はここで」
公孫龍は、胸騒ぎが杞憂に済むことを願う
同時刻…郭開は荒れていた
郭「えぇい!腹立たしい!」
倉「どうしたのですか?」
郭「我が国は皆が貧しいというのに、あの忌々しい腐れ馬賊である拓跋Aの国は、全ての民が飽食するほど繁栄しているではないか!!こんな不条理があっていいのか!?」
倉「それなら…旧王都圏を奪還してはどうです?最近強まっている、我等の不満を逸しましょう」
郭「ほう…それは良い考えだ!」
倉「成功すれば、提案した郭開様の威光は跳ね上がり、逆らう者は居なくなるでしょう。もし敗れれば、趙玲ら三大天に全ての責任を押し付けなされ。政敵の趙玲を排除出来、我らに逆らう者達への見せしめにもなります」
郭「成程…どっちに転んでも損はないな!…流石韓倉じゃ!」
倉「郭開様程では…」
趙に破滅の危機が迫る
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作者名:やなゆ | 作成日時:2022年3月28日 7時