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146話 ページ30

成都攻防戦で、比較的損害の少なかった趙だが、その内情は決して見られた物では無かった

「腹減ったな…」

「お腹がすいたよぅ…」
「ああ…王様は我等の苦しみを聞いて下さらぬのか…」

震災に続き、趙を大飢饉が襲ったのだ

「もう限界だ!…この国を去って秦に行こう!」

「でも…秦は法律で人を縛ってるって…」

「でも身分差は殆どない!今秦国は物があり溢れているらしい。どうせここにいても未来はない!」

「そうね…」

秦国の繁栄ぶりは趙国中に知れ渡っており、恩恵を受ける為に、北部を中心に流民が秦に渡っていたのだ

この為、人口の増えた秦は益々国力を高め、趙は経済難に陥っていく

事態を憂慮した郭開らは、全ての国境を封鎖する

これにより人口流出は収まるも、飢えで堪りかねた国民は、趙王家への憎悪を高めていく

そんな折、趙ではある民謡が流行りだした

「知ってるか?こんな唄が流行っているらしい」

「どんな?」

「"趙は哭き、秦は笑う。信じられぬのであれば、地の草を見よ"…だそうだ」

「それって…このままじゃ、趙は秦の拓跋Aに滅ぼされるって事じゃないのか!?」

「だろうな…」

「そんな…」






その頃、幽繆王は趙の宰相代理となった司空馬に話を聞く

空「趙と秦を比べてみて国が大きいのはどちらでしょうか?」

遷「秦には及ばない」

空「民はどちらの方が多いでしょうか?」

遷「秦には及ばない」

空「資金が豊富にあり穀物が豊かなのはどちらの国でしょうか?」

遷「秦には及ばない」

空「政治を司る宰相はどちらの方が優秀でしょうか?」

遷「秦には及ばない」

空「将軍の武勇や能力は秦と比べてみて、どちらが優れているでしょうか?」

遷「将は互角かもしれんが、総合的には秦に及ばない」

空「法律はどちらの方が整備されているでしょうか?」

遷「秦には遠く及ばない」

空「全ての事で秦に及ばないわけですから、趙は秦に滅ぼされる事になりましょう」

幽繆王は対策を聞く

空「趙の国土の半分を秦に割譲しましょう」

遷「何故だ?」

空「趙が国土の半分を失ったとなれば、諸侯は次の災いが自分に来ると思い、合従の同盟を結べます。趙は名目上は趙の半分を失いますが、山東の諸侯と同盟することが出来れば、秦に国力を拮抗させる事が出来ます。秦を滅ぼすのは無理でも、全ての国を守るには、お釣りが来るほどには充分です」

幽繆王は往年に比べて、趙の国土が狭まっているため、この策を断って次の策を訊ねる

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作者名:やなゆ | 作成日時:2022年3月28日 7時

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