侍の紅一点 (ページ10)

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9話ページ10

エドマンのファインプレーに勢いが削がれた侍ジャパン

続く村上も抑えられ、吉田がヒットを打つも後続が倒れて無得点に終わる

2回まで三者凡退に抑えていたダルビッシュも、3回に7番カン·ベクホにツーベースを許すと8番のヤン·ウィジにツーランを打たれてしまう

次の打者にもツーベースを許し、エドマンにタイムリーを喰らい、2番は抑えるも迎える打者は3番のイ·ジョンフ

初球を捉えられ、抜けるかと思われた

『ッ！ハァッ！』

だがAはその打球を横っ飛びのジャンピングキャッチを決めた

そして飛んだ体勢のまま、ヒットを確信して飛び出していたエドマンを刺してゲッツーを取ったのだった

【アウト！ゲッツー！エドマンに負けじと黒宮もスーパープレー！"MLB最強セカンドは自分だ"そう言わんばかりのプレーです！】

「(バカな…！？あんな体勢からアウトにするなんて！)」

討ち取られたイ·ジョンフは衝撃で固まる

「ありがとう！本当に助かった！」

『気にしないで下さいダルさん。困っている時は助け合うのが仲間です』

Aのスーパープレーによりこれ以上の失点は避けるも、3点を取られてしまった

「おっしゃやったぜ！」

「あのダルビッシュから3点も取るなんて、日本はアテが外れたろうよ！」

「この勢いのまま、試合に勝つぞ！」

浮かれる韓国選手とは対照的に、韓国代表監督のイ·ガンチョルはある懸念を持つ

「(今のダルビッシュなら、ウチの打線なら後2、3点は取れていた…それが黒宮のファインプレーで勢いが無くなってしまった…これ以上の得点は厳しいだろう)」

「おいグァンヒョン。大丈夫か？」

「…ああ」

「まだ3回だし、次も頼むぞ！」

キム·グァンヒョンはどこか気の入っていない様子であった

3回裏、今まで好投を続けてきたキム·グァンヒョンは制球を乱し、源田と中村悠平に連続でフォアボールを与える

だが、牽制から戻る際に2塁ランナーの源田が右手小指を踏まれて、骨折してしまう

『源田さん！』

Aが源田の元へ向かおうとするが、源田が制止した

源田の無念を晴らすかの様にヌートバーと近藤が連続でタイムリーを放つ

大谷は四球を選び、無死満塁という日本にとっては最高の、韓国にとっては最悪のシチュエーションでAを迎える事になる