侍の紅一点 (ページ42)

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過去編20話ページ42

7月…遂に府大会のトーナメントが発表される

「ウチの最大の強敵は、府大会決勝で当たるであろう履正社高校！大坂2強の片割れであり、選抜の常連校で今年の選抜ベスト8の実力を誇る！この超強敵を倒せない限り、夏の甲子園出場は叶わない！」

「だが思っている事は相手も同じ…今年も府大会を取るで！」

ここでAが質問する

『申し訳ございません。他に大坂で強い所があれば教えて欲しいのですが…』

「そうやな…A、私学７強って知ってるか？」

『いえ、私が野球始めた時には、大阪桐蔭と履正社の2強だったので…』

この言葉に他の部員が驚く

「(嘘だろ…！？Aが野球始めたのって…時期的にはもしかして中2！？)」

「(それであの実力って…ヤバすぎるって！)」

他の部員が戦慄する中で、西谷監督が説明する

「今でこそウチと履正社の時代やけど、その前の大阪の出場校は、夏も春もこのどこか7校やった。興国、明星、PL学園、浪商、北陽…今の関大北陽やな。そして大鉄(現阪南大高)、近大附属…この7校を総称して私学７強と呼んでいたんや」

『成程…』

「でも…履正社や上宮、ウチが台頭してからは嘗ての強さは見る影もないがな。とはいえ大阪の強豪！楽に勝てる相手やない！」

Aが関心していると、3年生が相手に気づく

「ちょっと待て！？俺らの対戦相手、決勝以外全部私学７強じゃねぇか！」

「…本当だな。…でもPLや近大附属、上宮に春の府大会準優勝の大阪偕星は履正社のブロックだし…」

「死のブロックすぎるだろ！選抜の時といい、クジ運悪すぎだ！」

キャプテンが3年生に突っ込まれる

「良いじゃないですか。昨年以上の強さを見せる絶好の機会ですよ」

蓮の言葉に皆の士気が上がった

そうこうして、開会式を迎えた

式が終わると、履正社高校のメンバーと会す事になる

「流石ですなぁ桐蔭さん。東海の強豪を悉く叩き潰した様で…」

「いえいえ。そちらも、関東では絶好調だったとか…」

「ははは。…にしてもAちゃんは前よりも選手として凄みを増してますなぁ」

「そちらこそ、寺島君が昨年以上の仕上がりだとか」

「いえ。まだ未熟者です。Aちゃんが甲子園で躍動する姿を見てみたいという気持ちはありますけど、ウチも負けません。決勝で会いましょう」

そう言って履正社と別れ、開会式は終わった

数日後、大阪桐蔭は一回戦の相手である興国高校と試合を行う