侍の紅一点 (ページ41)

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過去編19話ページ41

遠征を終え、新たな方針でいくことになった大阪桐蔭

岐阜県勢を全勝したことにより、2年生も全員がAを最強と認め、Aに歯向かう者はいなくなった

そんな中、西谷監督は選手達を呼ぶ

「知っての通り、夏の大会まで残り1ヶ月や。これからは、ベンチ入りメンバーの練習が中心となる！選ばれた者たちは、我が校代表としての自覚を持つように！選ばれなかった者達は夏大会が終わるまで、ベンチ入りメンバーをサポートしてやって欲しい」

大阪桐蔭の夏の背番号が発表される

「まずは、背番号1…黒宮A！！」

『！はい！』

Aは背番号を受け取る

「これから3年間は、お前を中心にチームを回す。大変やろうけど頑張ってくれ！」

『死力を尽くします！』

「よし…では背番号2…中村奨成！」

「はい！」

「背番号3…神凪蓮！」

「はい！」

「背番号4…西巻賢二！」

「はい！」

「背番号5…増田珠！」

「はい！」

ショート、センター、レフトは3年生だ

「背番号9…丸山和郁！」

「はい！」

スタメン9人中、5人が1年生のフレッシュなレギュラーとなった

「背番号10…徳山壮真！」

「！？は、はい！」

「県岐阜商と大垣日大相手に見せた好救援を期待するで！」

「は、はい！」

実は、徳山の球を見たAと蓮が徳山を高く評価し、遠征試合での起用を進言したのだ。そこで徳山は結果を残し、ベンチ入りメンバーに入った

残りのメンバーは、3年生を中心に数人が2年生となる

「メンバーは以上や。選ばれんかった2年生や1年生は自分に何が足りなかったのかを考え、新体制では選ばれる様に努力するように。今日はこれで解散や。最後に、選ばれんかった3年生は残れ。俺から話がある」

ベンチ入りメンバーが解散する中、Aは複雑な気持ちになる

「俺らが言って何になる？慰めでもかけるつもりか？」

『蓮先輩…』

「俺らに必要なのは慰めじゃない。あの人達の分も、戦い抜く事だ」

『はい…』

「これまでの2年間…お前らは本当に頑張った。厳しい練習に熾烈な争い…悔しい想いなど、いくらでもした事やろう」

「監督…」

「だがお前らは…決して挫けず、最後までこの俺についてきてくれた…」

そう言うと、西谷監督は頭を下げる

「これからもずっと…俺の誇りであって欲しい」

それを聞いた3年生達は涙を流し、自身の夏の終わりを実感した

『…』

3年生達の姿に、Aは貰った背番号にこれまで以上の重さを感じる

そして、決意を胸にその場を後にした