侍の紅一点 (ページ4)

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3話ページ4

スタッフに案内され、栗山監督とコーチ達や選手に緊張しながら挨拶するA

『コロラド・ロッキーズ所属のく、黒宮です！び、微力ながら力を尽くして頑張ります！』

監督やベテラン達からは激励の言葉を貰い、他の選手からは「あれが黒宮A…MLB最強の内野手…」や「テレビやネットで見てたけど…メッチャ美人！」や「気弱だったんだなぁ」等の声が上がる

「そして…ケガで辞退した誠也の変わりに…」

「招集されました、牧原大成です。一生懸命頑張ります！」

こうして侍ジャパンは全員が集結した

初めにAはバッティング練習を行う

バットを持ったAは当初の気弱な雰囲気は無くなり、変わって刺すような威圧感を放つ

「うっ…すげぇ威圧感…！」

Aはボールを引っ張り、15球中11球をスタンドに放り込む

『フン…』

打球の威力にファンや多くの記者が騒然となるが…

「ケッ！あんなもの、引っ張れば誰でも簡単に出来る」

そう言った男は、ヌートバーやAへの懐疑論を事ある毎に唱えていた記者であった

『なら…これを見てみな』

小さく呟いたAは今度は逆方向への柵越えを連発した

「グッ！…うぅ…」

記者は言い返す言葉もなく、すごすごと立ち去った

「あんまりムキになったらダメだよ。Aちゃん」

ダルビッシュがAを窘める

『ダルさん…すみません。何かムカついたもので』

「気持ちは分かるけどね」

練習が終わり、ダルビッシュ主催で飲み会を開くなど紆余曲折を経て、あっという間に侍ジャパンの初戦である中国戦の前日を迎えた

「皆集まれー！明日の中国戦のスタメンを発表する」

メンバーに緊張が走る

「1番センターヌートバー。2番ライト近藤。3番DH翔平。4番ショートA。5番サード村上。6番レフト吉田。7番セカンド牧。8番ファースト岡本。9番キャッチャー甲斐。先発投手は翔平。このメンバーで行く。みんなの活躍期待しているぞ」

「「「「「「「「はい！！！」」」」」」」」

最後にダルビッシュが音頭をとる

「相手は中国ですが、"格下だから手を抜こう"とか、"手頃な調整相手にしよう"とか思ったりせず、韓国戦も含めて全試合コールドで勝つくらいの気持ちで挑みましょう！」

この言葉にメンバーの士気は大いに高まり、明日を迎える