侍の紅一点 (ページ25)

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過去編3話ページ25

入寮の日…孤児院の仲間やボーイズのチームメイトが見送りに来た

「「「「「お姉ちゃん！大阪でも頑張ってね！」」」」」

『皆…ありがとう…』

「A。アンタの家はここにある。アンタは1人じゃないからね」

『おばちゃん…！』

最後に根尾が言う

「A先輩…俺も必ずそこに行きます。それまでは…負けないで下さい！」

『根尾くん…』

皆の言葉を胸に、Aは大阪に向かった

入寮の翌日、A達新入生はグラウンドに集められていた

「新入生はこれで全員か？」

「はい！」

「フッ…大阪桐蔭にようこそ！俺が監督の西谷や。それでは、順番に自己紹介からしてくれや」

新入生達が自己紹介をしていく

全員がシニアやボーイズで実績を挙げた選手ばかりであった

「よし次！」

Aの出番が来た途端、視線が一斉にこちらを向く

『飛騨高山ボーイズ出身く、黒宮Aです！得意なポジションは投手と二塁手です！い、一生懸命頑張ります！』

「(あれが黒宮A…中学Ｎｏ．1プレーヤー…)」

「(実績は凄まじいな…)」

「(にしても…めっちゃ別嬪やん！)」

Aの美貌に見惚れる者もいる

「次！」

「大野シニアベースボールクラブ出身、中村奨成です！希望するのは捕手です！長打力には自信があります！よろしくお願いします！」

「長崎シニア出身、増田珠！内野手希望！打撃の器用さが長所です！よろしくお願いします！」

「倉渕中学校出身、丸山和郁です！外野ならどこでも守れます！肩と走塁では負けません！」

「秀光中学出身、西巻賢二！ポジションは内野手です！守備には自信があります！」

Aの後に自己紹介した4人は、元は他校への進学を決めていたが、Aの入学を知り、敵に回さないために大阪桐蔭へ進路を変更したのだ

自己紹介が終わると、軍を振り分ける新入生テストが行われる

「このテストで…ベンチ入りした奴なんて居ないらしいぜ」

「マジ？なら良くてAチーム入りか」

テストの結果で、新入生が振り分けられる

「やった！俺Aチームだ！」

「それでは、春の府大会のベンチに入るメンバーの発表をする！」

「え…！？」

「ウソだろ…！？」

「ま、まさかこの時から1年生にベンチ入りする奴が！？」

コーチの発表に新入生だけでなく、上級生も驚く

「黒宮A！中村奨成！増田珠！丸山和郁！西巻賢二！以上だ」

「マジか…俺らだって…！」

Aの春大会出場が決まった