侍の紅一点 (ページ19)

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18話ページ19

侍ジャパンは大谷に変わって、有原に変わる日ハムの新エース…伊藤を登板させる

『伊藤さーん！この場面、楽しんで行きましょう！』

Aが情熱的なエールを送る

「Aちゃん…！絶対抑える！」

Aのエールと自身の武器である強心臓により、実力の増した伊藤は次の打者をショートフライに抑え、これ以上の失点を許さなかった

『ナイスピッチ伊藤さん！』

「Aちゃん…君のエールのお陰だ」

侍ジャパンはその後、Aと村上、岡本の適時打で3点を、7回に吉田の本塁打と韓国戦の骨折から復帰した源田の適時打で2点を追加。10-2とし、試合を決定づけた

また、この試合までスランプに苦しんでいた村上も、2打席連続のツーベースヒットを放ち、復調の気配を見せる

投手陣も伊藤、今永、松井、大勢がイタリア打線に点を与えない

8回はヌートバー、近藤、大谷の3連続ヒットで1死満塁の場面でAに回る

既に敗者復活戦に行く事が決定的となったイタリアは、せめてAを抑えてその試合に繋ごうとする

『別に打たなくても勝利は確定だけど…他の相手を恐れさせる為にも…ね…』

勝負は一瞬で決まった

外角高めのストレートを捉え、バックスクリーンに突き刺した

【さ、サヨナラー！サヨナラコールドとなる満塁ホームラン！李承燁の持つ一大会5本に、24歳のプレーヤー黒宮Aが並びました！果たして、黒宮を止められる投手は存在するのか！！？】

観客の大歓声に迎えられながら、Aがホームインした

「ナイバッチー！Aちゃん！」

ヌートバーがホームで盛大に出迎える

『たっちゃん…有難う…！』

Aはヌートバーに抱き着いた

「ちょっとたっちゃん！Aさんから離れて下さい！」

「そうですよ！羨ましい！周りが誤解したら！」

Aを熱狂的に推す宮城と髙橋宏斗が、Aをヌートバーから離そうとする

「何やってんだアイツら…」

由伸が呆れた様に見る

負けたイタリア代表は、フレッチャー兄弟がAや大谷を見ていた

「兄さん…やっぱり、日本代表は桁違いだったね…」

「あぁ。台湾やパナマが可愛く見える程にな…」

ドミニクは心から思い知る

「(これが…日本の野球…これが…世界の実力…！)」

侍ジャパンが準決勝に大手をかける

第1試合のキューバ対オーストラリアは、キューバがオーストラリアに勝利し、アメリカラウンドではメキシコがプエルトリコを、アメリカがターナーの逆転満塁本塁打で、ベネズエラを撃破した