侍の紅一点 (ページ17)

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16話ページ17

一次ラウンド突破を決めた侍ジャパンだが、最終戦の相手が初のベスト8が確実視されるオーストラリアでもその勢いは止まらない

『ふっ…！』
「あっ！？」

Aの打球は看板直撃の本塁打となる

【入ったー！黒宮今試合2本目！大会では4本目となる特大のツーランホームラン！自信が更新した、一大会の打点記録を更に塗り替える14打点目！！大谷のタイムリーを含め、この回3得点！オーストラリア代表を全く寄せ付けません！】

「クソッ！俺達とアイツら…この差は何なんだ…！？」

韓国戦で逆転の3ランホームランを放ち、守備でもチョンボをやらかしたカン・ベクホをアウトにし、勝利の殊勲者となったオーストラリアセカンドのグレンディニングは悔しそうに唇を噛む

「いや、私達は弱くない…日本が強すぎるんだ…」

監督のディンゴはそう答えた

先発の山本由伸は4回を8奪三振の完璧な投球を見せ、後を受けた高橋奎二、大勢、湯浅らリリーフ陣もオーストラリア打線に付け入る隙を見せない

髙橋宏斗が最後に本塁打を浴びる誤算はあったが、最後的には侍ジャパンがオーストラリアを10-1で下し、Bブロックを首位で通過した

因みに、翌日の試合でチェコを下したオーストラリアが2位での通過となった

Aブロックでは、全チームが2勝2敗で並ぶ異例の大混戦の末、1位でキューバが、2位でイタリアがオランダと台湾を交わし、東京行きを決めた

この為、侍ジャパンの2次ラウンド最初の相手はイタリアに決まる

Cブロックではメキシコが、大谷の盟友トラウトやナ・リーグの本塁打王シュワーバー、Aの嘗ての先輩でお目付け役でもあったアレナドを擁し、優勝最有力候補の呼び声高いアメリカに大勝し、1次リーグ首位での通過となった

アメリカも他の試合では実力の違いを見せつけ、2位での通過を決める

そしてDブロック…死のブロックと呼ばれ、大リーグのスター選手が乱立するこのブロックでは、大波乱が起きた

アメリカに並ぶ今大会の優勝候補筆頭であり、昨年のMLBサイ・ヤング賞投手のアルカンタラを擁し、出場選手30人の内28人がMLBプレーヤーのスター軍団ドミニカ代表が、まさかの一次ラウンド敗退を喫したのだった

1位はアルトゥーベ率いるベネズエラ代表であり、2位はリンドーアを中核とするプエルトリコ代表であった

侍ジャパンは2次ラウンドへと突き進んでいく…